第3回 CLAUDE.mdの書き方〜AIに「うちの会社」を覚えさせる魔法のファイル

この記事で抑えておくべきポイント
  • CLAUDE.mdは「AIへの永続的な会社説明書」一度作れば毎回の説明が不要になる
  • 5つのセクション(会社概要・ペルソナ・業務定義・出力ルール・NGルール)で構成する
  • 具体的に書けば書くほど、AIのアウトプット品質が上がる

はじめに

前回でClaude Codeのインストールができました。今回は、Claude Codeを「本当に使えるAIアシスタント」に変えるための、最重要ファイル「CLAUDE.md」の作り方を解説します。

このファイルを作るだけで、Claude Codeの使い勝手が劇的に変わります。逆に言えば、このファイルがないと「毎回、会社のことをAIに一から説明しなければならない」という非効率な状態になります。

第2回 Claude Codeのインストール&初期設定完全ガイド

  • ターミナル、Powershellとは何か、使い方を学ぶ
  • Claudeプランの申込からインストールまでを学ぶ

CLAUDE.mdとは何か?

あなたが新しいスタッフを採用したとき、最初に何をしますか?会社のことを説明しますよね。「うちはこういう会社で、お客様はこういう人たちで、こういうトーンで仕事をしてほしい」という説明です。

CLAUDE.mdは、Claude Codeへの「会社説明書」です。

このファイルを一度作成しておくと、Claude Codeは毎回のやり取りの前にこのファイルを読み込んで、あなたの会社のことを理解した状態で仕事を始めます。

CLAUDE.mdがある場合とない場合の違い

CLAUDE.mdファイルを保有する場合と、保有しない場合では、下記のような違いが発生します。

状況CLAUDE.mdなしCLAUDE.mdあり
記事執筆を依頼するとき「うちはこういうコンサル会社で、読者はこういう人で、トーンはこんな感じで…」と毎回説明「○○をテーマに記事を書いて」だけでOK。CLAUDE.mdに記録した内容に沿って、記事を執筆できる
提案書を作るときクライアントの状況、自社のサービス内容を毎回説明「○○社向けの提案書を作って」で即座に対応
メール文の作成会社名、担当者名、トーンを毎回指定「○○さんへの返信メールを書いて」で完成

CLAUDE.mdを作る前に準備すること

CLAUDE.mdを書く前に、以下の情報を手元に用意しておきましょう。

  • 会社名・事業概要(一言で言うと何の会社か)
  • 主なサービス・商品
  • ターゲット顧客(どんな人に売っているか)
  • 会社のブランドトーン(硬い・柔らかい、専門的・親しみやすいなど)
  • AIに担当させたい仕事の種類
  • やってほしくないこと(NGルール)
  • よく使うフォーマット(報告書の形式、記事の文字数など)

CLAUDE.mdの基本構成

CLAUDE.mdに書く内容は、大きく5つのセクションで構成します。

  1. 会社・事業の概要:どんな会社か、何をしている会社か
  2. AIのペルソナ設定:AIにどんな役割・人格で動いてほしいか
  3. 担当業務の定義:具体的に何をやってほしいか
  4. 出力・作業ルール:文体・フォーマット・言語などの規則
  5. NGルール:やってほしくないこと

実際のCLAUDE.mdの書き方:テンプレート付きで解説

以下は、小規模なコンサルティング会社のCLAUDE.mdのサンプルです。あなたの会社に合わせて書き換えて使ってください。

# 株式会社〇〇 AIアシスタント設定ファイル

## 事業概要

株式会社〇〇は、中小企業向けの経営コンサルティング会社です。
主なサービスは以下の通りです:
- 経営戦略立案・実行支援
- マーケティング戦略の策定
- 人材採用・組織づくりのサポート
- デジタル化支援(DX推進)

代表者:〇〇 〇〇(経営コンサルタント歴15年)
所在地:東京都渋谷区
会社サイト:https://example.co.jp/

## ターゲット顧客

- 従業員10〜100名の中小企業の経営者
- 年商1億〜10億円規模の企業
- 特に製造業・サービス業・小売業の経営者

## AIチームの役割

あなた(Claude)は、優秀なコンサルタント同僚として以下の業務を担当します:

1. 提案書・報告書の作成
2. 市場調査・競合分析のサポート
3. ブログ記事・コラムの執筆
4. クライアントへのメール文の作成
5. 会議・打ち合わせの議事録整理
6. アイデアの壁打ち・論点整理

## ブランドトーン・文体ルール

- 誠実で信頼感があり、専門的なトーン
- 難しい専門用語は必ず平易な言葉で説明を添える
- 結論を先に述べ、根拠・詳細を後に述べる(PREP法)
- 体言止めは使わない。文末は「〜です」「〜ます」の丁寧語
- 記事の場合は読者が行動に移せるよう、具体的な手順を含める

## 出力フォーマットルール

- 記事はWordPressに貼り付け可能なHTML形式(h2/h3/p/ul/liタグを使用)
- 提案書はMarkdown形式で、後でPowerPointに転記しやすい構成
- メール文はそのままコピー&ペーストで使える完成形で出力
- 文字数の指定がある場合は±10%以内に収める

## NGルール(やってはいけないこと)

- 事実確認ができていない情報を断定的に述べること
- クライアント名・個人情報を出力に含めること
- 過度に煽る表現(「絶対に成功する」「100%」など)の使用
- 承認なしに外部URLを本文に含めること

## よく使う定型情報

- 会社の連絡先メール:info@example.co.jp
- 担当者名(対外的な書類用):〇〇 〇〇(おお おお)
- 銀行口座(請求書用):〇〇銀行 〇〇支店 普通 1234567

各セクションの書き方のコツ

事業概要は「箇条書き」で具体的に

「コンサルティング会社です」だけでは不十分です。何を、誰に、どのように提供しているかを具体的に書きましょう。

悪い例:コンサルティング会社です。

良い例:

  • 中小企業(従業員10〜100名)の経営者向けに、
  • 経営戦略・マーケティング・DX推進のコンサルティングを提供しています。
  • 月額顧問契約(30万〜)と単発プロジェクト型(50万〜)の2つのサービスがあります。

ペルソナ設定は「性格」まで書く

AIにどんな「キャラクター」で動いてほしいかを書きます。たとえば:

  • あなたは、経営全般に精通した鋭い思考力を持つコンサルタント同僚です。
  • 遠慮なく反論・別視点を提供し、同僚として率直に意見を言ってください。
  • 表面的な提案ではなく、本質を突くアウトプットを目指してください。

NGルールは「具体的な行動」で書く

CLAUDE.mdに記載するNGルールにおいて、最も避けるべきは「品質を下げないで」「適当にしないで」といった抽象的な表現です。AIにとっての「良い品質」は、あなたの基準と一致するとは限りません。

Claudeを迷わせないためには、「何をしないか」を物理的な動作レベルで指定するのがコツです。

  • 「専門用語を使いすぎないで」 →「中学生でもわかる言葉を使い、IT専門用語は必ず補足説明なしで使わないこと」
  • 「記事を長くしないで」 →「1セクションにつき300文字を超えないこと。箇条書きを3つ以上並べないこと」
  • 「勝手に送らないで」 →「作成した文章を直接送信したり、外部ツールに投稿したりせず、必ずファイル保存に留めること」

このように「実行不可能な選択肢」を具体的に潰しておくことで、AIは迷いなく、あなたの理想通りのアウトプットを出せるようになります。


CLAUDE.mdファイルを実際に作成する手順

手順1:フォルダに移動する

ターミナルを開いて、前回の記事で作った作業フォルダに移動します。

cd ~/Desktop/my-agent

手順2:テキストエディタでCLAUDE.mdを作成する

以下のコマンドでnanoというシンプルなテキストエディタが開きます。

nano CLAUDE.md

先ほどのテンプレートをあなたの会社情報に書き換えて、貼り付けましょう。

保存方法:Ctrl + XYEnter

【より簡単な方法】 VS Code(Visual Studio Code)などのエディタアプリを使うと、より快適に編集できます。VS Codeは無料で使え、日本語にも対応しています。「VS Code インストール」で検索してダウンロードしてください。

VS codeとは

VS Code(Visual Studio Code)は、Microsoftが開発した無料で使える高機能なエディタアプリです。全世界で最も利用されているエディタの一つで、プログラマーだけでなく、ライターやWebデザイナーなど、テキストを扱う多くのビジネスパーソンに愛用されています。

最大の特徴は、起動や動作が非常に軽快であること。そして、「拡張機能」と呼ばれる追加プログラムをインストールすることで、自分好みに機能をどんどん強化できる点です。日本語化はもちろん、文章の校正機能や、CLAUDE.mdのようなMarkdown(マークダウン)形式のファイルを綺麗にプレビュー表示する機能なども、クリック一つで追加できます。

「メモ帳」よりも圧倒的に便利で快適な作業環境を、誰でも無料で手に入れることができます。

Markdown(マークダウン)とは

Markdown(マークダウン)とは、記号を使って文章の構造を素早く指定できる「書き方のルール」のことです。

例えば、行の先頭に「#」をつければ「見出し」になり、「*」をつければ「箇条書き」になります。特別なボタン操作なしで、キーボード入力だけで文書の体裁を整えられるのが最大の特徴です。

Markdownは今、単なる「便利な書き方」を超えて、「AIと人間をつなぐ最強の共通言語」としてその価値が急上昇しています。なぜ、数ある形式の中でMarkdownが注目されているのでしょうか?それは、AIにとって圧倒的に読みやすく、構造を正しく理解できる形式だからです。

  • AIが「文脈」を誤解しない: WordやPDFのような複雑な装飾データを含まないため、AIは「どこが重要か」「何と何が関連しているか」を正確に把握できます。
  • プログラミング的な処理との相性が抜群: Claude CodeなどのAIエージェントが、文書の中から特定の情報を抜き出したり、自動で要約したりする際に、Markdownの記号が強力な「目印」になります。
  • 情報の「純度」が高い: 余計な見栄えの情報を取り除き、中身の「論理構造」だけを伝えることができるため、AIへの指示(プロンプト)や設定ファイル(CLAUDE.md)として最適なのです。

「AIに正しく動いてもらうための標準語」として、Markdownを使いこなせるかどうかは、AI時代の生産性を左右する大きな分岐点となっています。

手順3:Claude Codeを起動して確認する

claude

起動後、「あなたの役割を教えてください」と入力してみましょう。CLAUDE.mdに書いた内容を踏まえた回答が返ってきれば成功です。


CLAUDE.mdをより効果的にする3つのテクニック

テクニック1:よく使う「定型文」を登録する

メールの書き出しや、提案書の冒頭文など、よく使うテキストをCLAUDE.mdに登録しておくと、毎回の指示が楽になります。

## よく使う定型文

### メール書き出し(ビジネス丁寧)
お世話になっております。株式会社〇〇の〇〇でございます。

### 提案書の冒頭(初回提案時)
この度は、弊社にご相談いただきありがとうございます。
お客様の課題を丁寧にお伺いし、最適なご提案をさせていただきます。

テクニック2:「禁止ワード」を設定する

競合他社の名前を出してほしくない、特定の表現を使ってほしくない場合は明示します:

## 禁止ワード・表現
- 「革命的」「画期的」などの誇大表現は使用しない
- 競合他社名(〇〇社、〇〇社)を比較・批判する表現は使用しない
- 「コスパ」「コスパ最強」などのカジュアルすぎる表現は避ける

テクニック3:プロジェクト別にCLAUDE.mdを持つ

案件Aと案件Bで全く違う作業をする場合は、フォルダを分けてそれぞれにCLAUDE.mdを置くと便利です。詳しくは第4回で解説します。


まとめ:CLAUDE.mdで「AIの育て方」が変わる

この記事でお伝えしたポイント

  • CLAUDE.mdは「AIへの永続的な会社説明書」
  • 一度作れば毎回の説明が不要になる
  • 5つのセクション(会社概要・ペルソナ・業務定義・出力ルール・NGルール)で構成する
  • 具体的に書けば書くほど、AIのアウトプット品質が上がる

次回は、複数の仕事を整理するためのプロジェクト管理術を解説します。「コンサル案件A」「コンサル案件B」「ブログ記事」など、複数の仕事を混同せずにAIと進める方法を学びましょう。

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