目次
- アインホールディングス、株式会社Francfrancの株式取得(子会社化)
- カプコン、Minimum Studios社の株式取得(子会社化)
- マクロミル、M-Force株式会社を完全子会社化
- ウエルシアHD、東電パートナーズの株式取得(完全子会社化)
- newmo、大阪の老舗タクシー会社「未来都」の経営権を取得
アインホールディングス、株式会社Francfrancの株式取得(子会社化)
案件当事者
- 買主: 株式会社アインホールディングス
- 売主: FF投資事業有限責任組合、株式会社BLUE WEDGE、株式会社セブン&アイ・ホールディングス
- 対象企業: 株式会社Francfranc
案件目的
中核事業であるリテール事業の成長
- 「アインズ&トルぺ」は独自のビジネスモデルで高い収益力を誇っており、Francfrancは都会的で洗練されたライフスタイル提案に強みを持つ。
- 両社の強みを活かし、シナジーを生み出すことでリテール事業をさらに成長させる。
シナジー創出による企業価値向上
- クロスマーチャンダイジング: 異なる商品カテゴリーを扱う両社が、互いの商品を販売することで、顧客満足度と顧客単価の向上を目指す。
- 戦略的な店舗開発: 主要都市や駅ビル、商業施設など、類似した出店エリアを持つ両社が、共同出店などを通じて更なるビジネス機会の拡大を図る。
- 新たなプライベートブランド(PB)商品の開発: 両社のノウハウを共有し、新たなPB商品を開発することで事業価値を創造する。
特に、両社が主要顧客層として20代~30代女性を中心とする層と類似しており、補完的な関係にあることから、シナジー効果を最大化できると考えているようです。
対象企業概要
株式会社Francfrancは、創業以来「Francfranc」というブランドを確立し、インテリア・雑貨を中心に事業を展開しています。
特徴
- ターゲット顧客: 20代~30代を中心とした幅広い層
- 店舗数: 国内152店舗、海外9店舗(香港)
- 商品構成: 家具、食器・キッチン雑貨、家電・照明など幅広いラインナップを取り揃え、90%がSPA型商品
- ブランドコンセプト: 「Francfranc」を通じて、既成概念にとらわれない、自由でワクワクするような、真の価値ある暮らしを提案
強み
- SPA型商品による高い収益性: 商品の企画から生産、販売までを一貫して行うSPAモデルにより、競合他社と比較して高い営業利益率を維持
- 確立されたブランド力: 顧客からの高い人気と信頼を得ており、各種調査でもブランド力の高さが示されている
取得価額
- 499億7600万円(アドバイザリー費用等は含まず)
会社概要
株式会社アインホールディングスは、北海道を拠点に、主に以下の事業を営む企業です。
- ファーマシー事業:調剤薬局の運営(「アイン薬局」などを1,231店舗展開)
- リテール事業:コスメ商品の販売(「アインズ&トルペ」などを81店舗展開)
対象市場・競合状況
- ファーマシー事業:
- 市場:医療費抑制政策により、ジェネリック医薬品の普及や後発医薬品調剤体制加算の導入が進んでいます。また、電子処方箋やオンライン服薬指導など、規制緩和によるデジタル化も進展しています。
- 競合:大手ドラッグストアチェーンや中小規模の調剤薬局など、多数の競合が存在します。
- リテール事業:
- 市場:コスメ市場は堅調に推移しており、特にスキンケアやオーガニックコスメへの関心が高まっています。
- 競合:大手ドラッグストアチェーンや百貨店、バラエティショップ、ECサイトなどが主な競合です。
経営課題
- ファーマシー事業:
- 薬剤師の人材不足
- 調剤報酬改定による収益への影響
- デジタル化への対応
- リテール事業:
- 競合の激化
- 消費者ニーズの多様化
- ECサイトとの競争
経営戦略
- トップラインの拡大:
- ファーマシー事業:M&Aやオーガニック出店による店舗数の拡大、薬剤師の専門性強化による患者中心のサービス提供
- リテール事業:M&Aやオーガニック出店による店舗数の拡大、化粧品に特化した品揃えと売り場づくり
- 経営基盤の強化:
- 人的資本への投資:薬剤師や美容部員などの人材育成、採用強化
- DX投資:電子処方箋やオンライン服薬指導への対応、AIを活用した業務効率化
- サステナビリティ経営:環境保護や社会貢献活動への取り組み
財務概要(2025年4月期連結計画)
- 売上高:4,150億円(前期比103.8%増)
- 経常利益:185億円(前期比86.5%増)
- 当期純利益:91.8億円(前期比80.5%増)
- 1株当たり当期純利益:262.33円(前期比80.8%増)
2024年4月期の業績は好調で、売上高、経常利益ともに前期比で2桁の伸びを達成しました。2025年4月期は、人的資本やDXへの投資を積極的に行う方針であり、売上高は引き続き増加を見込むものの、利益は減少する見込みです。
関連資料
カプコン、Minimum Studios社の株式取得(子会社化)
当事者
- 買主:株式会社カプコン
- 対象企業:Minimum Studios Co., Ltd.
案件目的
- 年間販売本数1億本達成に向けた開発力・技術力の持続的強化のため
案件概要
- Minimum Studios社の発行済株式総数の3分の2を取得し、子会社化
対象企業概要
- 台湾に本社を構える、コンシューマーゲーム開発におけるアニメーション制作を得意とする3DCG制作会社。カプコンの大型作品においても制作実績がある
会社概要
- 家庭用ゲームソフトの開発・販売を主力事業とする企業であり、代表的なゲームシリーズとして「バイオハザード」「モンスターハンター」「ストリートファイター」などがある。
- 2024年3月期の売上高は1,524億円で過去最高を更新、営業利益も570億円で11期連続の増益を達成した。
- 家庭用ゲームソフトだけでなく、モバイルコンテンツ、アミューズメント施設、アミューズメント機器、キャラクターグッズ、eスポーツ、映像など、多岐にわたる事業を展開している。
- ゲーム開発においては、自社開発エンジン「RE ENGINE」を活用し、高品質なゲームを効率的に制作している。
- デジタル販売を重視し、PCプラットフォームを活用してグローバルにゲームを展開している。2024年3月期には235の国と地域で292タイトルを販売した。
- 主要IP(知的財産)は世界的に人気が高く、シリーズ累計販売本数は「バイオハザード」が1億5,700万本、「モンスターハンター」が1億本、「ストリートファイター」が5,400万本に達している。
対象市場・競合状況
- 世界規模でゲームソフト市場は拡大傾向にあり、特にPCや家庭用ゲーム機のユーザーは約15億人規模と推定されている。
- モバイルコンテンツ市場も成長しており、ゲームがエンターテインメントの主流として定着している。
- 競合他社としては、世界的なゲーム開発・販売会社や、モバイルゲームに特化した企業などが挙げられる。
経営課題
- 年間販売本数1億本という長期目標を達成するためには、開発力・技術力のさらなる強化が必要である。
- 市場環境の変化やユーザーニーズの多様化に対応し、持続的な成長を確保していく必要がある。
- ゲームソフトのヒットの有無や販売本数、家庭用ゲーム機の普及動向、海外市場の売上状況など、様々な要因によって業績が変動するリスクがある。
経営戦略
- デジタル販売を推進し、新作パイプラインを拡充することで、コンシューマゲームのリピート販売をグローバルに強化する。
- キャラクター、映像、モバイル、eスポーツなどの周辺ビジネスを育成し、コンシューマゲームとのシナジー効果を高める。
- アミューズメント機器やアミューズメント施設事業を安定収益源として活用し、コンシューマゲームとの連動を図る。
- PCプラットフォームやデジタルマーケティングを強化し、グローバルでの販売拡大を加速させる。
- 開発体制の拡充を図り、Minimum Studios社のような技術力を持つ企業のM&Aも視野に入れる。
- 人材投資を積極的に行い、優秀な開発人材の確保と育成に努める。
財務概要(2025年3月期計画)
- 売上高:1,650億円
- 営業利益:640億円
- 親会社株主に帰属する当期純利益:460億円
関連資料
マクロミル、M-Force株式会社を完全子会社化
当事者:
- 買主:株式会社マクロミル
- 売主:株式会社Bloom&Co.、株式会社 Strategy Partners
- 対象企業:M-Force株式会社
案件目的
- 顧客起点のマーケティングを可能にする「9segs®」及びその中心指標である、「NPI®(Next Purchase Intention:次回購入意向)」を活用した事業の拡大
案件概要:
- 株式会社マクロミルは、2024年7月1日付でM-Force株式会社の株式持分の100%を取得し、完全子会社化した。同時に、Strategy Partners代表の西口一希氏がマクロミルの戦略アドバイザーに就任する契約を締結した。
対象企業概要
- M-Force株式会社は、企業が成長の突破口を開き、売上を伸ばし続ける顧客起点マーケティングのソリューションを提供する企業。耐久消費財、日用消費財、アプリ/ウェブサービスなど80を超えるカテゴリーで利用されるクラウドツール「9segs® analyzer」や、スキルトレーニングとメンタリングを提供する「N1分析®実践支援」などの革新的なソリューションサービスを通じ、企業の持続的なビジネス成長を支援する。
会社概要
マクロミルは、国内オンラインリサーチ業界のリーディングカンパニーです。市場シェアNo.1の豊富なリサーチ実績とノウハウ、90以上の国と地域で1.3億人へのリサーチが可能なグローバルネットワーク、独自に構築した消費者パネルから得られる多種多様なデータを活用し、顧客のマーケティング課題の解決に向けて最適なソリューションを提供しています。創業時から育んできたデータネイティブな発想で、顧客のビジネスに成功をもたらすData Culture構築の原動力となることを目指します。
対象市場・競合状況
インサイト産業は、2021年から2022年にかけて11.3%成長しており、その中でも特にマーケティングリサーチ市場は13.6%成長しています。マクロミルは、日本のマーケティングリサーチ市場を上回るペースで事業を拡大しており、オンラインリサーチ市場においてシェアNo.1を維持しています。
経営課題
- 競争の激化: インサイト産業は成長市場であり、競合他社の参入も予想されます。競争優位性を維持・強化していくことが課題となります。
- 顧客ニーズの多様化: 顧客のマーケティング課題はますます複雑化しており、多様なニーズに応えるソリューションを提供していく必要があります。
- データ活用の高度化: 収集したデータをどのように活用し、顧客に価値を提供していくかが重要となります。
経営戦略
マクロミルは、「リサーチ企業」から「総合マーケティング支援企業」への事業モデルの変革を進めています。具体的には、以下の3つの領域で事業を拡大しています。
- リサーチ(意識データ): オンラインリサーチ、オフラインリサーチ、グローバルリサーチ、データベースサービス
- データ利活用支援(コンサルティング): DX浸透パートナー(DMP活用)、BPO/BPRコンサルティング
- マーケティング施策支援(ソリューション提供): CRM、広告配信
これらの事業を通じて、顧客のマーケティング課題を総合的に支援し、成長を目指しています。
財務概要(通期見込)
- 売上収益 :440億円
- 事業利益 :56億円
関連資料
ウエルシアHD、東電パートナーズの株式取得(完全子会社化)
当事者
- 買主:ウエルシアホールディングス株式会社
- 売主:東京電力ホールディングス株式会社
- 対象企業:東電パートナーズ株式会社
案件目的
- ウエルシアグループは、ヘルスケアを意識した商品やサービスを提供する「地域No.1の健康ステーション」を目指している。
- 東電パートナーズを完全子会社化することで、首都圏における介護事業のプラットフォームを構築し、ドラッグストア店舗との連携を強化する。
- これにより、顧客により良いサービスと新しい価値を提供するウエルシアモデルの進化を目指す。
案件概要
- ウエルシアホールディングス株式会社が東京電力ホールディングス株式会社の連結子会社である東電パートナーズ株式会社の全株式を取得し、完全子会社化する。
対象企業概要
- 東電パートナーズは2006年設立の介護事業者。
- 企業理念は「高齢者の方が、慣れ親しんだ地域やご自宅で、安心して心豊かに、自分らしく暮らせる介護サービスを提供します。」
- 真面目・堅実な企業風土と、顧客や家族、地域に喜ばれる安全・安心で「さわやかな」サービス品質へのこだわりを特徴とする。
- 事業内容は介護保険事業およびこれに関する研修事業。
会社(買主)概要
- ドラッグストアチェーン「ウエルシア薬局」を中核とした事業を展開
- 2024年2月末時点で、国内外に2,825店舗を展開
- プライベートブランド商品の開発・販売にも注力
対象市場・競合状況
- 資料から読み取れる対象市場は、主に国内のドラッグストア市場
- 競合は、他の大手ドラッグストアチェーンや、スーパーマーケット、コンビニエンスストアなど
経営課題
- 新型コロナウイルス感染症の反動減による増収減益
- プライベートブランド商品の売上拡大と粗利改善
- WAON POINTの会員獲得後の提示率・利用率とマーケティング活用
経営戦略
- 既存事業の進化と深化(店舗フォーマットの進化、調剤併設の推進、PB施策、WAON POINTを中心としたポイントサービス)
- 収益性向上(生産性向上、コストコントロール、物流における取り組み)
- サステナビリティ(移動販売車「うえたん号」、女性管理職登用の促進)
財務概要(2025年2月期 通期見込み)
- 売上高:1兆2,870億円
- 営業利益:470億円
- 経常利益:510億円
- 親会社株主に帰属する当期純利益:270億円
関連資料
newmo、大阪の老舗タクシー会社「未来都」の経営権を取得
当事者
- 買主:newmo株式会社(東京都港区、代表取締役 青柳直樹)
- 売主:記載なし
- 対象企業:株式会社未来都(大阪府守口市、代表取締役 笹井美智子)
案件目的
働き手不足や移動難民の課題が深刻化する未来を見据え、タクシー事業のDX推進、経営基盤の強化、日本版ライドシェアへの参入等の想いが一致したため。
案件概要
newmo株式会社が株式会社未来都の全発行済株式を取得し、経営権を取得。
対象企業概要
1960年創業の大阪で60年以上にわたり地域密着で質の高いサービスを提供するタクシー会社。「真心を込めた心から心へのおもてなし」を経営理念に、現在大阪府内10箇所に営業所を構え606台のタクシー車両を保有するほか、大阪でいち早く「Uber」「GO」と業務提携を行ったり、QRコード決済をはじめとした多様な決済手段を提供。