越境ECにおけるペルソナ設定の重要性

この記事で抑えておくべきポイント
  • 越境ECにおけるペルソナ策定の重要性を理解する
  • ペルソナを策定するにあたって抑えるべきポイントと調査方法を知る

越境EC成功の鍵を握る「ペルソナ」設定

越境ECの市場は年々拡大しており、日本製品への関心の高まりとともに、多くの企業が海外進出の機会をうかがっています。しかし、越境ECは国内EC以上に難易度が高いのも事実です。難易度が高い背景の一つに、自身が経験したことのない文化を持つ海外購入者の行動や特性を理解することが難しいことが挙げられます。海外購入者の理解をせず、単に商品を越境にて購入できるように海並べるだけでは成功は困難です。成功の鍵は、ターゲット顧客を深く理解し、そのニーズに合致したマーケティング戦略を展開することにあります。ターゲット顧客を深く理解する。すなわちペルソナ設定を正しく行うことが重要です。本記事では、越境ECにおけるペルソナ設定の重要性と具体的な設定の仕方について、説明します。

越境におけるペルソナ策定の重要性(国内事業よりも重要な背景)

越境ECにおけるペルソナ設定は、国内EC事業と比較して、その複雑さと重要性が格段に増します。日本国内での事業展開では、日本での生活をある程度想像できるため、共通の文化、言語、商習慣、法規制といった前提をもちながら、ペルソナイメージをつけて、マーケティング活動を行うことができます。しかし、越境ECにおいては、自らが経験したことのない文化の中で生きている購入者を想像しながらマーケティング活動を行う必要があります。そして、この想像が大幅にずれてしまうと、いくらマーケティング施策を増やしても、成功しません。

下記が日本国内と越境ECにおいて、購入者のペルソナを想像する際に、意識しないといけない視点です。

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要素国内EC越境EC
文化・価値観均質性が高い多民族国家もあり、多様性が極めて高く、同じ国でも文化が異なる
言語日本語が基本複数言語(例:同じ中華圏、中国語でも地域で話す言語が大きく異なる)
商習慣・決済日常使い慣れした決済方法・配送体系国ごとに好まれる決済手段の違い、現金の重要性の違い、物流インフラの違い(海外においては、物流品質が日本と比較し劣後することが多い)
法規制共通の法律関税、輸入規制、消費者保護法が国ごとに異なる
情報収集源比較的共通のメディア現地特有のSNS、検索エンジン、インフルエンサー

特に文化や価値観の違いは、商品の受け止められ方や購入意思決定プロセスに大きく影響します。例えば、ECにおける商品の信頼性をどう担保するかにしても、購入者の受け取り方が異なります。日本では「公式感」が重視されることがありますが、別の国では「ユーザーレビュー」や「インフルエンサーの推薦」がより重要になるなど、購入者が大切にしていることがことなります。

したがって、越境ECにおいては、現地の消費者が「何を求めているのか」「どのように情報を得ているのか」「何に価値を感じるのか」を徹底的に具体化し、「ぼんやりとしたターゲット層」ではなく「具体的に想像できる一人の人間」として描くペルソナ策定が、戦略の精度を高め、マーケティングの失敗を防ぐために極めて重要になるのです。

ペルソナ策定にあたり、何を見ると良いか

では、越境ECにおけるペルソナはどのように設定していくと良いでしょうか。ペルソナとは、単なる「30代、女性」といったデモグラフィック情報ではなく、その人がなぜ商品を購入するのかという背景にある心理や行動パターンを描き出すものです。具体的にどのような項目で、ペルソナを策定すると良いか。基本的には、国内のペルソナ策定時の項目と変わりませんが、越境ECにおいては、一般的な項目に加えて、「文化・地理的要因」と「EC行動特性」の視点を深く盛り込む必要があります。

ペルソナを作る際に見るべき項目

1. 基本情報(デモグラフィック・ジオグラフィック)

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項目観察するポイント
氏名・年齢・性別設定対象国の一般的な名前を付けることでリアリティが増すため、具体的な誰かを思い浮かべると良い
居住地各エリアがどのような場所なのかを調べ、都市と地方の経済格差配送インフラの状況を意識しながら、ペルソナを策定(例えば、中国における都市階級などはペルソナ策定における重要な部分となる。中国では、各都市階級向けECが存在し、それぞれが異なる商材、価格で商品を届けている)
職業・年収購買力に直結するため、現地の経済状況と比較して具体的に設定する
学歴・家族構成ライフステージや消費行動に影響を与える
言語日常的に使用する言語(公用語だけでなく、家庭内言語やネット上の言語も)。言語は、話す言語だけでなく、商品を検索したりする際の言語(例えば、キャラクター名を、現地語で検索するか、日本語(ローマ字)で検索するかなども考慮する)

2. 心理的傾向(サイコグラフィック)

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項目越境ECで特に注意すべき点
日本への興味・関心度興味関心のある領域やトレンドを理解する。特に、日本文化への関心度(J-POP、アニメ、伝統文化など)は特に重要。日本文化への関心度を調査する際には、日本にどのような頻度で旅行にきているか。その際の行動を深堀すると、日本文化への関心度合いや興味がより明確にわかる
価値観・目標生活において、何を重視して生活しているか(例:時間、品質、価格、他者からの評価)
悩み・課題(ペイン)日常の生活における困り事や、日常の生活の中で利用する商品やサービスに対しての困り事を特定する例えば、日本旅行の時に買ったこのお菓子が好きだけど、現地で購入すると高い。などの課題を具体的に明確にする。
パーソナリティ情報収集の積極性や、新しいもの好きか保守的かどのような層を狙うのかを特定する。情報収集に消極的な層を狙う必要がある場合は、プッシュ型のマーケティングが必要になり、また新しいものに保守的な場合、越境ECは特に新規性が高いので、どのように信頼を与えるかを検討する必要がある。

3. 購買・消費行動

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項目越境ECで特に注意すべき点
ECの利用頻度国内ECと越境ECの利用頻度を分けて、どの程度ECを利用するかを確認する。また、ECを利用する商材と動機についても正しく理解する。越境ECについては、国によって、越境ECがどの程度国に浸透しているかも異なるので、越境ECの許容度やまわりの知人や家族がどの程度利用しているかも合わせて、調査できると良い。
よく利用するECサイトAmazon、Alibaba、ローカルECなど、利用するプラットフォームの特性を理解する。各ECをどのような需要で、そしてどのような商材で使い分けているかの理解も合わせて行う。また、ECをアプリで利用しているか、ほしい商品を検索して購入しているか(例えば、モールECのアプリを基本的に使うのか、ブラウザで検索して、出てきたサイトを使うのか)など、ECでの商品購入きっかけも理解する。ECでの検索行動を理解することで、適切なモデルでの越境EC展開が可能になる。
決済方法の好みクレジットカード、デビットカード、モバイル決済(WeChat Pay、Paytmなど)、後払いなど、国や地域で主流な決済方法を理解する。決済手段を理解することで、ECサイトの購入率を上げる手段となる、越境ECでの決済手段の整備の必要性を検討可能になる。
物流への許容度普段、どの程度の配送日数、配送料でECを利用しているか。どの程度の配送日数、配送料までは許容か関税に関する制度をどこまで理解しているか。など越境EC特有の物流で課題になる側面に対する理解度と許容度を確認し、物流戦略に繋げる。

4. 情報収集行動とテクノロジーリテラシー

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項目越境ECで特に注意すべき点
情報収集源Google, Baidu, Yandexなどの検索エンジン、Facebook, Instagram, TikTok, WeChat, LINEなどのSNS、現地のニュースサイトやKOL(Key Opinion Leader)/インフルエンサー
利用デバイスPC、スマートフォン、タブレットの利用比率(国によってPC利用が多い/モバイル利用が多いなど傾向が異なる)
情報信頼源企業公式サイト、友人・家族の推薦、レビューサイト、インフルエンサーのうち、どれを最も信頼するか

これらの項目を深く掘り下げて設定することで、「越境ECで日本の化粧品を探している、上海在住の28歳のOL、メアリー」といった、行動予測が可能な具体的顧客像が完成します。具体的には下記のようなペルソナを作ることになります。

例:台湾越境EC利用者 ペルソナサンプル:李 慧君(リー・ホエジュン)

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項目設定内容
年齢・性別31歳・女性
居住地新北市(台北市近郊のベッドタウン)
職業・役職IT企業のアカウントマネージャー(中堅社員)
年収台湾の平均よりやや高い(購買力あり)
家族構成既婚、夫と二人暮らし(子どもはまだいない)
言語中国語(北京語)、英語(ビジネスレベル)
興味・関心日本のライフスタイル、美容・健康、旅行。日本のドラッグストア製品や雑貨、無印良品のようなシンプルで質の高いデザインを好む
価値観・目標「品質とコストパフォーマンスの両立」を重視。安すぎるものは信用しないが、無駄な出費も嫌う。友人や同僚から「センスが良い」と思われることを目標としている
悩み・課題(ペイン)台湾で販売されている日本の商品は、価格が割高なことが多い。また、日本限定品や新製品は、信頼できるルートでの入手が難しいと感じている
パーソナリティ情報収集に熱心で、新しい情報があればすぐに試すトレンドセッター気質。SNSやコミュニティでの共有や発信も積極的に行う
ECの利用頻度週に2~3回はECサイトをチェック。越境ECは月に1回程度利用
よく利用するECサイト蝦皮購物(Shopee Taiwan)Momo富邦(ローカルEC)Amazon Japan(越境)
決済方法の好みクレジットカード(特にポイント付与率の高いもの)をメインに利用。ローカルECではコンビニ決済(超商取貨付款)も利用するが、越境ECでは信頼性の高いカード決済を好む
物流への許容度多少高くても信頼できる国際配送サービスを優先。配送日数は1週間程度なら許容範囲だが、それ以上かかると不安になる。追跡(トラッキング)情報が明確であることを重視
日本の越境ECで買うもの未上陸の美容液・サプリメント高品質なキッチン雑貨日本の限定アパレル・小物
情報収集源Instagram、Facebook(友人やKOLの情報)、Dcard(大学生・若年層向けコミュニティサイト)での口コミ、Google検索(中国語)
利用デバイス9割以上スマートフォン。通勤時間や就寝前に情報をチェックし、比較検討もモバイルで行う。購入手続きのみPCを使うこともある
情報信頼源**実際に購入したユーザーのレビュー(写真付き)を最も信頼。次に有名KOL(Key Opinion Leader)**のYouTube動画やInstagram投稿。日本の企業公式サイトは情報源としては信頼するが、購買の決め手は「現地のレビュー」とする

このようなペルソナが見えてくると、そのペルソナを元に、戦略として、

  • 信頼の構築(SNS/KOL戦略): 信頼するInstagramやDcardで、現地のKOL(インフルエンサー)による商品レビューや使用体験を投稿してもらい、安心感を醸成
  • 価格の透明性: ECサイトで、商品価格、送料、関税を含めた「最終支払総額」を明確に提示し、越境EC特有の不安を解消
  • サポート体制: サイトは中国語(繁体字)に対応させ、可能であれば現地のSNS(例:LINE@)でのカスタマーサポート窓口を設置
  • 物流の安心感: 追跡可能な配送オプションを提供し、「日本からの高品質なサービス」としての体験提供

といったような打ち手が見えてきて、越境ECの成功確率が高まってきます。

ペルソナ策定と連動させるカスタマージャーニーマップ作成

ペルソナが「誰か」を定義するのに対し、カスタマージャーニーマップは、そのペルソナが「いつ、どこで、何を考え、どう行動するか」という時間軸での流れを可視化します。特に越境ECでは、国境をまたぐため、情報収集から購入、そしてリピートに至るまでの「情報の流れ」「意思決定ポイント」が複雑になりがちです。それ故、カスタマージャーニーを描き、お客さまとの接点を明確にすることが重要です。

最終的には、下記のようなカスタマージャーニーマップまで描けるようになることが理想です。

ではどのように上記のようなカスタマージャーニーマップを描くと良いでしょうか。
カスタマージャーニーマップを描くための思考プロセスをここから説明していきます。

購買プロセスにおける「情報収集」と「意思決定のプロセス」を特定

カスタマージャーニーを作成する際は、特に以下の3点を中心に、ペルソナの思考と行動を具体的に記述します。

1. 情報をどこで得るのか(認知・興味フェーズ)

購入者が情報を収集するチャネルはいくつかありますが、重要なのは、下記の4つで「検索」「SNS」「広告」「口コミ」をどのように使い分け、どのように反応しているかを理解することが重要です。

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視点具体的な行動の特定越境ECでの例
検索どの検索エンジンで、どんなキーワードを検索するか「日本の化粧品 おすすめ」「Japanese skincare review」をGoogle/Baiduで検索
SNSどのSNSで、誰の投稿を見るかInstagramでKOLの商品紹介ライブ配信を見る、現地の美容系YouTuberのレビュー動画を見る
広告どんな広告フォーマットに反応するか現地の人気インフルエンサーを起用した動画広告に惹かれる
口コミ誰の意見を参考にするか信頼できる友人の口コミ、ECサイトの購入者レビュー

2. 何を見て比較検討するのか(比較検討フェーズ)

次に、ペルソナが「購入候補」を絞り込む際に重要視する情報源を特定します。

  • レビューサイト・ECサイトの評価: 現地の主要なレビュープラットフォームでの星の数、コメントの内容をチェック。日本語のレビューは読めないため、現地の言語で書かれたレビューを重要視する
  • 価格と送料: 競合製品との価格差、そして特に越境ECでは国際送料と関税を含めた総支払額をシビアに比較する
  • 信頼性・安全性: 公式サイトのデザインの信頼感、認証マークの有無、そして「本物であること」を証明する情報(例:正規代理店の証明)をチェックする

などです。ものを購入する際に、商品を1つめの認知・興味フェーズで見つけ、そこから興味を持った時にどのようにその興味を深めていくのかをここでは理解します。このフェーズを理解することで、購入者が自社商品に対して、理解を深めようという段階に入った際に、どのような情報を提供していけば、さらなる信頼構築に繋がり、意思決定をサポートできるかを理解し、アクションを打てるようになります。

3. 意思決定するのか(購入フェーズ)

購入を決める「最後のひと押し」となる要因を特定します。

  • 決済手段: 普段使い慣れたモバイル決済(例:Alipay)が使えるか。
  • 返品・交換ポリシー: 国際取引の不安を解消する手厚い保証や返品ルールが明確か。
  • プロモーション: 「初回限定割引」「送料無料キャンペーン」など、今すぐ買うべき理由があるか。
  • 言語対応: サイトや問い合わせ対応が現地の言語でスムーズに行えるか。

最後のフェーズでは、購入者が購入にあたり、意思決定の手前まで来ている状態で、最後のひと推しをできるか(=キャンペーンなど)、または、最後の悩みとなる課題を解消してあげられるか(=決済の不安など)が重要になります。このひと推しが購入の大部分を決めるといっても過言ではないほど、重要なフェーズです。

ペルソナを策定する中で、様々な情報を集めると思います。その中で、上記のフェーズも意識しながら、購入の意思決定フローを理解し、ペルソナと合わせて、最終的に、上で説明したようなカスタマージャーニーマップまで作れると、購入者を解像度高く理解した上で、適切かつ効率的なマーケティング手段を取れるようになるのです。

ペルソナを策定するにあたっての市場調査の方法

では、上記のペルソナ設定とカスタマージャーニーをどのように作成していけば良いでしょうか。ペルソナ設定とカスタマージャーニーの作成は、「憶測」ではなく「事実」に基づく必要があります。そのためには、ターゲット市場に関する定量的・定性的なデータを収集する市場調査が不可欠です。ここでは、ペルソナを作成するにあたって、とるべきアクションをリストアップします。

1. デスクリサーチ(二次情報調査)

ペルソナを設定するにあたっては、大きく2つのステップで市場調査を行っていきます。ステップ1としては、デスクリサーチで、日本にいながらも調査できることを分析していきます。既存の公開情報を活用した、低コストかつ迅速な調査手法を用いながら、ある程度のペルソナ仮説を立てていきます。ここで仮説を立てることで、次のステップを効率的に進めることができます。

具体的には、

A. 統計データ・市場レポートの活用

  • 政府機関・国際機関の統計: ターゲット国の人口動態、平均所得、EC化率、インターネット普及率などのマクロデータを把握
  • 業界レポート: ターゲット商品に関連する業界の市場規模、トレンド、主要プレイヤーの情報を収集
  • ECプラットフォームのデータ: 主要な越境ECプラットフォーム(例:Amazon Global Selling、eBay)や現地のECモールの売れ筋ランキング、人気カテゴリを調査
  • 現地の物流や決済調査:世界の物流会社や決済会社が出しているレポートから現地インフラに関して把握

B. 検索エンジン・SNS分析

  • 検索トレンド: Googleトレンド(またはBaidu指数など現地検索エンジン)で、ターゲット市場における関連キーワードの検索ボリュームや関心度の推移を把握
  • SNSのハッシュタグ分析: Instagram, TikTok, Twitterなどで現地ユーザーがどのような言葉で商品や日本関連の情報を発信しているかを調査し、リアルな関心事や流行を把握

などを通じて、現地のユーザーがどのようなユーザーなのかを理解していき、わからないところを書き溜めていきます。
最近では、Google GeminiのDeep Reserchが発達しており、上記のような内容はレポートをすぐに作ってくれるようになってきているため、Google Gemini等を活用して、公開情報をまとめていきます。

公開情報がまとまったら、社内でワークショップ等を設け、ペルソナイメージをすり合わせ、疑問点と仮説の洗い出しをします。
もしも可能な場合は、このタイミングで、社内外の海外出身者も巻き込み、ワークショップでイメージのアイデア出しができると、ステップ2のフィールドリサーチに入る前にかなりのペルソナイメージを作ることができます。

2. フィールドリサーチ(一次情報調査)

次に、最も重要なステップである、フィールドリサーチを行います。「百聞は一見にしかず」という言葉があるように、一度現地を訪問し、ユーザーの声を聞くだけで、理解度が格段に向上するため、絶対に必要なステップです。

A. 現地消費者へのインタビュー/アンケート調査

最も有効な手法です。ペルソナ候補となる現地在住者に、設定項目(第1章参照)に関する具体的な質問を行います。

  • インタビュー: 「なぜその商品を買おうと思ったのか?」「情報収集はどこで行ったか?」といった、行動の「動機」「背景」を深く掘り下げます。
  • アンケート: 購買頻度、利用ECサイト、決済方法の好みなど、定量的なデータを広く収集します。アンケート収集は各地でアンケート調査を行う海外代理店が存在し、その海外代理店を活用したアンケートが行えると、非常に効率的に進めることができます。

B. 現地競合ECサイト分析

ターゲット国で成功している競合他社や、類似商品を販売するECサイトを徹底的に分析します。現地に行ったら、必ず自らの目で現地のサービスやECをみることを心がけましょう。実際に商品を購入できるチャンスがあったら、購入もしてみます。そうすることで、下記のようなものが見えてきます。

  • 価格設定・プロモーション: 競合の価格帯、割引戦略、送料設定を調査します。
  • サイトデザイン・言語: デザインの傾向、使用されている言語や表現が現地の顧客に受け入れられているかを確認します。
  • レビュー分析: 競合サイトのカスタマーレビューを読み込み、**「何が評価され、何に不満が持たれているか」**を把握し、自社の商品やサービス設計に活かします。

C. 現地の商業施設の探索

現地に行ったら、現地商業施設を訪れ、

  • どのような商品に消費者が興味を持っているか
  • どのような商材のポップアップショップが出店されているか
  • どのような広告が商業施設周辺、商業施設内で展開されているか
  • 日本に関連したショップがあれば、そのショップで販売されている商品と価格

などをみてみるようにしましょう。様々なエリアと商業施設を見ることで、現地の商習慣を明確に捉えることができます。

これらの調査を通じて得られた「定量的(数字)」なデータと「定性的(感情・行動)」なインサイトを組み合わせることで、現実味のある、精度の高いペルソナを策定することが可能になります。

ペルソナの活用と継続的な改善

策定されたペルソナは、マーケティング部門だけでなく、商品開発、カスタマーサポート、物流など、越境EC事業全体で活用されるべき共通言語です。定義ごは、様々な部署がこのペルソナを元に行動をし、全体で、越境EC事業のブランドを作っていくことになります。

例えば、

  • 商品戦略: ペルソナのペイン(悩み)を解決する機能、デザイン、パッケージを開発
  • コンテンツ戦略: ペルソナが情報収集するチャネルで、彼らが信頼する言葉を用いて、カスタマージャーニーの各段階で必要な情報を提供
  • サポート戦略: ペルソナが好む言語とコミュニケーション手段(例:チャットサポート、WeChat対応)でサポートを提供

などです。

継続的な改善とブラッシュアップ

市場は常に変化し、特に海外市場では流行や規制が急速に変わることがあります。一度作成したペルソナも、時間が経てば実態と乖離する可能性があります。

定期的なレビューと改善(例:半年に一度、購入データやサポートへの問い合わせ内容を基にペルソナを検証する)を習慣化することが、越境EC成功の秘訣です。

越境ECの成功は、単なるサイト構築ではなく、海を越えて顧客の心に届くコミュニケーションを築くことから始まります。その羅針盤となるのが、具体的かつ緻密に策定されたペルソナなのです。

まだペルソナが明確に定まっていないと思われる場合は、ぜひこの記事の内容に沿って、ペルソナとカスタマージャーニーを作成してみてください。すでに出来上がっている場合は、この記事の項目に合わせて、ぜひ改めて、ペルソナの理解が100%できているかをチェックしてみてください。

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