越境ECモールに出店する:Amazon Global Sellingの出店戦略

この記事で抑えておくべきポイント
  • アメリカ向けにポテンシャルの大きい、Amazon Global Sellingとは何かを知る
  • Amazon Global Sellingの出店方法を知る

はじめに

越境ECを始めるにあたり、自社ECサイトを構築するか、AmazonやTmallのような巨大なモールに出店するかは大きな分かれ道です。モールに出店する最大のメリットは、圧倒的な集客力と出店の簡易さです。自社で越境ECを始める場合、ゼロからECサイトを構築し、集客をする必要がありますが、モール出店の場合は、すでに数千万人から数億人が利用するサイトに自社の商品を販売することができ、越境ECへのチャレンジハードルが下がります。その中でも、世界的に大きい2大モールといえば、アメリカ、イギリスなどの英語圏市場に向けたAmazonと、中国市場に向けたTmallではないでしょうか。

この記事では、世界を代表する越境モールであるAmazonとTmallに焦点を当て、特徴、出店方法、そして成功の秘訣を解説します。

越境モールに出店するメリットとは?

越境モールに出店するとは、Amazon、Tmall、Shopeeなどの大手越境ECモールに出店し、商品の販売を行う越境ECのモデルです。既に多くのユーザーが集まるモールに商品を掲載することで、集客の課題をクリアしやすいのが最大の魅力です。具体的には、下記のようなモールに出店することで、自社での越境ECを構築することなく、スピーディーに越境ECを立ち上げることができます。

モールに出店する最大のメリットは、圧倒的な集客力を生かして、越境ECを垂直立ち上げできることです。数千万から数億人が利用する莫大なアクセスを持つモールに商品を掲載するため、自社で集客する手間とコストが大幅に削減可能となります。また、モールが提供する物流や決済手段を利用することができるため、専門的な知識がなくても比較的簡単に展開可能になります。

モール型は簡単に越境ECを開始したいときには非常に有益です。特に規制などで自社での越境ECが難しい、中国のような国に向けては、モール型での展開が望ましいです。また、自社ECで徹底的に攻める国は攻めながら、モール型で多国化展開すると言うような併用モデルを検討するのも有益でしょう。

圧倒的な集客力莫大なアクセスを持つモールに商品を掲載するため、自社で集客する手間とコストが大幅に削減可能
簡易なスタートモールが提供するシステムや物流、決済サービスを活用できるため、専門的な知識がなくても比較的簡単に展開可能
信頼性知名度の高いモールに出店することで、海外の顧客からの信頼を得やすい

その中で、世界には様々なモールが存在します。中でも世界2大トップといえば、アメリカ・イギリスなど英語圏市場に向けたAmazonと、中国市場に向けたTmallではないでしょうか。本記事では、次にAmazon(Amazon Global Selling)とTmall国際に関して、その特徴を詳しく見ていきましょう。

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サービス概要展開国・地域相性の良い商材・カテゴリ手数料 (目安)配送サービス
Tmall Global (天猫国際)中国最大のECモール「Tmall」の、海外事業者向けプラットフォーム中国化粧品、美容機器、アパレル、ベビー用品、健康食品、食品、高級ブランド品、日本の人気アニメグッズ出店料、決済手数料、年間技術サービス料 (カテゴリによって異なる)、販売手数料(売上高の2-5%)アリババグループが提供する独自の物流ネットワーク「菜鳥網絡」の物流業者と連携し、商品の梱包や配送手続きをスムーズに行う体制を自社で構築が必要
Shopee東南アジアおよび台湾で最大級のECモール台湾・東南アジア(シンガポール、マレーシア、タイ、インドネシア、ベトナム、フィリピン)等アパレル、コスメ、生活雑貨、ガジェット、ゲーム・ホビー用品販売手数料(売上高の5-6%)、決済手数料(売上高の2-3%)公式の物流サービスであるSLS(Shopee Logistics Service)が利用でき、日本の出品者は、商品を国内の指定倉庫に発送するだけで、その後の国際配送、通関手続き、最終的な顧客への配送までをShopeeが代行してくれるので、簡単に発送が可能
LazadaAlibabaグループが運営する、東南アジアの主要ECモール東南アジア(シンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリピン、タイ、ベトナム)ファッション、家電、美容用品、ベビー用品、生活雑貨出店料(無料から)、販売手数料(売上高の3-5%)、決済手数料(売上高の2-3%)Shopeeと同様に、Lazadaも独自の物流サービスLGSを提供しています。日本の指定倉庫に出品者が商品を配送すると、その後の国際配送、関税手続き、各国の現地配送をLazadaが代行
Amazon Global SellingAmazonと接続できる、圧倒的な集客力とブランド信頼性のある出店方法
アメリカ、イギリスなど日用品、ガジェット、ホビー、書籍カテゴリにより変動(詳細後述)自身で売れるたびに発送するか、一度現地にまとめて納品し、FBA(フルフィルメント by Amazon)を活用して、Amazon現地倉庫から発送するか、いずれかを選択
eBay世界最大級のオークション・フリマサイト(日本からの越境はアメリカ中心)アメリカ中心コレクターズアイテム、中古品、アパレル、ガジェット、自動車部品、ホビー用品出品手数料(無料出品枠あり)、販売手数料(落札価格の10%前後)、決済手数料(PayPalなど)自社で日本郵便、DHL、FedExなどの国際配送業者と契約し、物流網を構築する必要がある

Amazon Global Sellingに出店する

世界最大のモールであるAmazon Global Sellingは、世界中のAmazonサイトで商品を販売できるプログラムです。Amazon Global Sellingを利用することで、アメリカ、ヨーロッパなど、世界23カ国のAmazonマーケットプレイスに商品を販売することができます。

Amazon Global Sellingに出店するメリット

Amazon Global Sellingを活用して、Amazonに出店する最大のメリットはやはり世界最大の市場であるアメリカを中心とした英語圏の主要なチャネルに一気にアクセスすることができることです。越境ECで事業を成功させる際に、アメリカ市場は見過ごせない、世界最大市場です。日本の自動車産業の売上におけるアメリカ市場の売上比率からも分かるように、アメリカを制するものが世界を制すると言っても過言ではないほど、越境ECにおけるアメリカ市場は重要になります。

そのアメリカ市場に、日本からAmazon Global Sellingに登録するだけで出店することができます。さらには、日本のAmazonアカウントがあれば、日本のアカウントをAmazon Global Sellingに接続するだけで、販売が可能になります。

さらに、Amazonの場合は、物流面のサポートも充実しています。越境ECでは基本的に、商品が売れた後に商品を個別で配送することが主流になりますが、Amazonの場合は、FBA(フルフィルメントby Amazon)の活用することで、まとめて現地まで納品し、現地におけるお客さまへの配送はAmazonに任せることができるようになります。

ECにおいて購入者の満足度を上げる一つの鍵になるのが、配送手段です。越境ECで個別配送する場合、どうしても購入者に商品が到着するまでに早くても、2週間ほどかかってしまいます。それをFBAを利用することで、事前に現地に商品を送り、Amazonの配送ネットワークを活用し、数日で購入者に商品配送が可能になります。

FBAを利用する際に、課題になるのが、一括でどのようにアメリカに商品を送るかですが、FBAを利用するためにAmazonと提携して、Amazon倉庫への納品を支援する物流会社も多数存在しますので、外部サポートも受けながら進めることで、簡単に始めることができます。

Amazon Global Sellingと相性の良い商材

Amazon Global Sellingは、日用品から趣味性の高いものまで幅広い商材に対応していますが、特に相性が良いのは、価格面で競争力があり、ブランド認知度が一定以上ある商品です。

Amazonは、基本的には顧客が「検索」して商品を探すモールです。そのため、Amazonで成功するためには、

  • 自社ブランドの認知度を一定担保する必要がある
  • 認知させた上で、他社の同一商品や同等商品より安い価格で提供、高品質で提供

する必要があります。上記の2つが揃っていると感じたら、すぐにモール出店を検討しましょう。仮に、現時点で上記を達成していなくても心配する必要はありません。もしもこれから上記2点を達成していくのであれば、

  • キーワード最適化: 現地でよく検索されるキーワードを商品タイトルや説明に盛りこむことで、ブランド名ではない検索キーワードでも表示される状態を作る
  • Amazon広告の活用: 広告を掲載して、検索結果の上位に表示させ、初期の流入を担保する
  • レビューの増加: 広告等を活用しながら、購入数を増やし、良いレビューを増やすことで、商品の信頼性を高める。これにより、検索順位が上がるなど良い影響があり、売上が上がる

という3点を地道に進めることで、徐々に自社ブランドの認知が高まり、売上が徐々に上がってくるでしょう。

一点注意点として、Amazonで商品を販売する際、すべての商品カテゴリが自由に利用できるわけではありません。特定のカテゴリでは事前の許可が必要だったり、特定の商品の出品が禁止されていたりします。特に越境ECの場合、現地の法規制が複雑に絡むため、これらのルールを事前に理解しておくことが極めて重要です。具体的には、下記にAmazonの規制に関して、Amazonが公式で公開しているものがありますで、ぜひご覧ください。

  • 出品許可が必要なカテゴリーと商品(US
  • 制限対象商品(US
  • 出品制限(US

Amazon Global Sellingの出店方法

1. アカウント登録

Amazon Global Sellingを開始するには、まずアカウントを登録します。日本のAmazonアカウントがなくても、海外のAmazonマーケットプレイスで新規アカウントを作成し、その後、他の国のアカウントと連携させることで、グローバルアカウントとして管理することが可能です。ただし、日本の事業者が越境ECを始める場合、すでに日本のAmazonアカウントを持っていることが多いため、それを活用してアカウントを連携させるのが最もスムーズです。

その際に、Amazonは「ブランド登録」ということを推奨しています。具体的には、自分のブランドをAmazonのカタログに登録するイメージです。ブランド登録することで、自社の商品ページの作り込みがよりできるようになり、さらに検索でも上位に上がるようになるなどメリットがあります。

Amazonの出品プランとしては、2パターンあります。販売する商品規模でプランを使い分け可能ですが、基本的には大口出品のプランを前提に検討します。月額で6,500円程度の固定費と商品販売ごとの手数料はかかりますが、比較的安価に開始ができます。

1. 大口出品 (Professional Selling Plan)

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項目詳細
月額登録料$39.99/月
販売手数料商品カテゴリによって、異なる手数料がかかりますが、小口出品と比較して低い料率が適用
利用できる機能無制限の商品出品: 出品できる商品数に制限が無いAmazon APIの利用: 在庫管理や注文処理を自動化するためのAPIにアクセス可能プロモーション機能: 広告やクーポン、セールなどのプロモーションツールを利用可能レポート機能: 詳細なビジネスレポートにアクセスでき、販売分析や戦略立案に役立つFBAの利用: フルフィルメントby Amazon (FBA) を利用可能ギフトラッピングサービス: 顧客にギフトラッピングを提供可能
おすすめの事業者月間40点以上の商品を販売する予定の事業者積極的に越境ECを展開し、売上を最大化したい事業者豊富な機能を使ってマーケティングや業務効率化を図りたい事業者FBAを利用して物流を効率化したい事業者

2. 小口出品 (Individual Selling Plan)

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項目詳細
月額登録料無料
販売手数料商品が売れるごとに、1商品あたり$0.99の成約料が固定で発生これに加え、商品カテゴリに応じた販売手数料(通常6%〜45%)も発生→ 故に月に40個以上販売する場合は、大口出品プランの方がお得
利用できる機能月間40点までの商品出品: 出品数に制限有り基本的な販売機能: 商品登録と注文処理のみに限定的プロモーション機能の制限: 広告やクーポンなどの高度なマーケティングツールは利用不可FBAの利用: FBAを利用可能
おすすめの事業者越境ECが初めてで、まずは少量から試したい事業者月間40点未満の販売を予定しており、初期費用を抑えたい事業者テスト販売や趣味の範囲でAmazonを利用したい事業者

出店プランの選択: 大口出品(月額登録料が発生するが、販売手数料が低め)または小口出品(月額登録料なし、販売手数料が高め)を選択します。越境ECでは、大口出品が推奨されることが多いです。カテゴリごとの手数料としては、下記になります。

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商品カテゴリ販売手数料(商品の販売価格に対して)最低販売手数料
アパレル・アクセサリー17%$0.30
ビューティー$10.00以下の部分は8%、$10.00を超える部分は15%$0.30
書籍、CD、DVD、ビデオ、ビデオゲーム15%$0.30
カメラ、家電製品(PC、ワイヤレス製品以外)8%$0.30
PC、ワイヤレス機器8%$0.30
食品・飲料$15.00以下の部分は8%、$15.00を超える部分は15%$0.30
ヘルス&パーソナルケア$10.00以下の部分は8%、$10.00を超える部分は15%$0.30
ホーム&キッチン、芝生&庭、ペット用品15%$0.30
スポーツ&アウトドア15%$0.30
おもちゃ&ゲーム15%$0.30
ベビー用品(ベビーアパレル以外)$10.00以下の部分は8%、$10.00を超える部分は15%$0.30
ハンドメイド15%$0.30
自動車用品12%$0.30
オフィス用品15%$0.30
そのほかのすべて15%$0.30

2. 売上代金受け取り用の口座開設

次に、Amazon Global Sellingでは、売上を受け取るための銀行口座を登録します。売上金を受け取るための口座としては、下記2つの方向で銀行口座を開設します。

  • 現地の銀行口座: アメリカ国内に開設された銀行口座
  • 海外送金に対応した日本の銀行口座: 主にメガバンクや一部のネット銀行が対応済み

上記2つの選択肢がありますが、アメリカ国内の銀行口座を作るのはかなり難易度が高いと思います。その中で、Amazon Global Sellingを始めるにあたってのおすすめは、後者の海外送金サービスを利用することです。

海外送金サービスの中で有名なサービスとしては、「Payoneer」です。Payoneer(ペイオニア)とは、国境を越えて異なる通貨の支払いを行ったり、受け取ったりするための、国際送金サービスです。Amazon Global Sellingの売上受け取りにおいて、特に日本の事業者から絶大な支持を得ています。

Payoneerに登録すると、まるで現地に銀行口座を持っているかのように、アメリカの銀行口座情報(米ドル建て)やヨーロッパの銀行口座情報(ユーロ建て)などが提供され、この情報を持って、Amazonでは、銀行口座情報を登録することができます。

Payoneerの口座で受け取った米ドルは、そのまま米ドルとしてPayoneerアカウント内に保持しておくことも可能です。これにより、為替変動のリスクを管理したり、将来的に他の海外決済に利用したりできます。そして、必要な時に、Payoneerから日本の銀行口座へ、希望する通貨(日本円など)で送金する手続きを行います

さらには、多くの日本の銀行と比較して、Payoneerは競争力のある為替レートと低い送金手数料を提供しています。手数料体系が明確で、事前に確認できるため、為替取引の手数料を抑えて、海外からの支払いを受けることができます。

上記のような手法で、Amazonの売上金を受け取れるようにするのが、2つ目のステップです。

3. 配送業者の選定

商品が売れた際に、どのように顧客へ配送するかを次に考えます。Amazon Global Sellingにおいては、2つの配送手段があります。

FBA(フルフィルメントby Amazon)

商品をアメリカ国内のAmazon倉庫にまとめて納品し、Amazonが保管、注文処理、梱包、配送、カスタマーサービス(英語対応)、返品対応までを一括して代行する仕組みです。Amazonプライム対象商品となるため、顧客は迅速な配送を受けられ、購買意欲が高まり、注文率が上がる可能性があります。

メリットとしては、物流業務の負担を大幅に削減でき、迅速な配送で顧客満足度を向上させ、販売機会を最大化できます。また、一件一件、売れるたびに発送する必要がなくなるため、物流オペレーションも非常に簡易になります。

デメリットとしては、FBA手数料(保管料、配送代行手数料)が発生し、納品時の梱包やラベル貼りにはAmazonの厳格なルールを遵守する必要があります。また、初期にアメリカに商品を納品する必要があり、アメリカへの初期配送をどうするのか。また、アメリカで在庫を保有するという状況をどう捉えるかが難しいポイントになります。アメリカへFBA倉庫の納品については、輸入になるため、自社が現地法人を持って輸入する。または、現地の輸入パートナーが必要になります。アメリカの在庫はFBAの利用を停止すると、返却はされますが、一時的に海外に在庫を保持する必要があります。アメリカへの初期配送については、FBAを利用するためにAmazonと提携して、Amazon倉庫への納品を支援する物流会社も多数存在しますので、外部サポートも受けながら進めることで、簡単に始めることができます。

Amazon FBAにかかる費用:費用構造と具体的なイメージ(アメリカ向け)

Amazon FBA(フルフィルメントby Amazon)は、越境EC事業者にとって強力なツールですが、その利用には複数の手数料が発生します。これらの費用を正確に理解し、商品の価格設定に含めることが、利益を確保する上で不可欠です。FBAにかかる主な費用は以下の3つのカテゴリに分けられます。

  • FBA配送代行手数料 (Fulfillment Fees):商品が売れて顧客に配送される際にかかる費用です。商品のサイズと重量に基づいて計算されます。
  • 月額保管手数料 (Monthly Storage Fees):FBA倉庫に商品を保管しておく際にかかる費用です。保管スペースの量(立方フィート)と期間に基づいて計算されます。また保管費用も1月〜9月(通常期)10月〜12月(繁忙期)で費用が変わるなど、変動します。
  • 長期保管手数料 (Long-Term Storage Fees / Aged Inventory Surcharge):FBA倉庫に長期間保管されている商品(271日以上経過した在庫に適用)に対してかかる追加の手数料です。在庫の回転率が低い商品に対して適用され、適正在庫の維持を促すためのものです。

その他にも、

  • 返送手数料 (Removal Order Fees): 売れ残った商品や返品された商品をFBA倉庫から返送してもらう場合にかかる費用
  • 廃棄手数料 (Disposal Fees): FBA倉庫で商品を廃棄してもらう場合にかかる費用
  • ラベル貼付サービス手数料 (FBA Label Service): 商品にFBAラベルをAmazonに貼付してもらう場合にかかる費用
  • 納品不備手数料: Amazonの納品規定に沿わない梱包やラベル貼りに不備があった場合に発生する費用

のような費用がかかり、FBAを選択する場合は、事前に発生する費用をシュミレーションする必要があります。Amazonは、FBA料金シュミレーターというシュミレーションシステムを提供していたりするので、そのようなツールを活用しながら、後述の出品者出荷とどちらが効率的かを考え、配送手段を決定しましょう。

出品者出荷

注文が入るごとに、日本から国際配送業者(DHL、FedEx、郵便局のEMSなど)を利用して、直接顧客へ商品を発送します。FBA手数料がかからず、少量から試したい場合や、商品のサイズ・形状がFBAに適さない場合に柔軟に対応できます。初期費用を抑えられます。

デメリットとしては、各注文ごとの国際輸送コストや手間が発生し、配送リードタイムが長くなるため、FBAに比べて顧客満足度や販売機会が劣る可能性があります。カスタマーサービスや返品対応も自社で行う必要があります。

越境ECの初心者には、まずはFBAの利用を推奨します。物流の複雑さから解放されることで、販売戦略に集中することができます。

4. 商品登録

最後に、販売する商品をAmazonのカタログに登録します。

アメリカのAmazonに出品する場合、商品タイトル、説明文、箇条書き(商品特徴)、キーワードなどはすべて英語で作成する必要があります。日本のAmazonに出品している商品をそのまま自動翻訳して利用できる機能は基本的に提供されていません。そのため、商材の特性を理解し、現地の顧客に響く魅力的な英語の商品ページを自社または翻訳サービスを使って作成することが不可欠です。この点は難易度が高いですが、生成AIを活用するなどして、日本用に作っている商品説明を英語翻訳して、登録してくようにしましょう。

主要国の関税・税金制度

次に補足として、主要国の関税・付加価値税(VAT/GST)制度を以下にまとめます。越境ECにおいて、各国の税制度を理解することは不可欠です。Amazonにおいても、FBAを利用せず、日本から出荷する場合は、販売者がDDPとDDUのどちらにするかを選択できます。DDUとして販売: 日本から直接顧客に発送し、通関時の関税・輸入税は顧客が負担することを明記します。これが最もシンプルなDDUの形です。DDPとして販売: 販売者が国際輸送業者とDDP契約を結び、送料と合わせて関税・輸入税を事前に支払い、顧客には追加費用なしで商品を届ける方法です。この場合、販売者は事前に現地の関税制度を把握し、商品の価格にこれらの費用を含める必要があります。

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国・地域関税付加価値税(VAT) / 売上税(Sales Tax)
アメリカ金額にかか15%の関税が発生します。各州によって異なる**売上税(Sales Tax)**が課されます。州によっては、オンライン購入に税金が適用される法律(Marketplace Facilitator Law)が定められています。
イギリス2021年以降、VATが徴収される取引については、原則として関税も同時に徴収されます。商品の課税価格が135ポンド以下の場合は、VATが免除されます。それ以上の場合、20%のVATが課されます。
オーストラリア課税価格が1,000豪ドル以下の場合、原則として関税は免税となります。商品の課税価格に関わらず、**GST(Goods and Services Tax)**が10%課されます。GSTはAmazonが代行して徴収し、納付します。
EU(欧州連合)課税価格が150ユーロ以下の場合は関税が免除されます。IOSS(Import One-Stop Shop)制度により、150ユーロ以下の商品には現地で設定されたVATが課されます

いずれにしても、下記の関税が発生します。また、FBAを利用する場合は、入庫時に輸入という整理になり、下記関税が発生します。これらの制度は頻繁に変わるため、最新の情報を常に確認することが重要です。

ジェトロの具体的な支援(2025年現在)

最後に、Amazon Global Sellingに出店するにあたって、ジェトロが具体的に提供しているサポートサービスを見てみましょう。2025年現在、日本貿易振興機構(ジェトロ)は、中小企業を対象とした様々な越境EC支援プログラムを実施しています。

その中で、ジェトロは年に一回、Amazon上のJAPAN STOREという日本の商品を集めて販売するサイトへの誘致キャンペーンを実施しています。

このキャンペーンは、Amazonが提供する「日本の商品を世界に」プログラムは、日本の事業者がAmazon Global Sellingを通じて世界中の市場へ商品を展開する上で、強力な支援を提供するもので、初期費用や運営の障壁を大幅に低減し、グローバル販売への第一歩を後押しするものです。

具体的なプログラム内容としては、

  • プログラムに適用される条件を満たすと、通常$39.99/月かかるアメリカの大口出品の月額登録料が、最初の3ヶ月間は無料になったり、その後も割引がされる。
  • Amazonが提供する越境ECに関する学習コンテンツ、ガイド、および必要に応じて日本語でのサポートを受けられます。これにより、複雑に感じられがちな海外販売の知識を効率的に習得できる

のようなものがあります。このプログラムは、日本の魅力的な商品を世界に届けたいと考える事業者、特に越境ECの経験が少ない初心者にとって、コストを抑えつつノウハウを習得し、リスクを低減しながらグローバル展開を実現するための最適な入り口と言えるでしょう。これらの支援プログラムは、ジェトロのウェブサイトで随時情報が更新されますので、チェックしておきましょう。

まとめ

本記事では、各国展開におけるモール展開と合わせて、Amazon Global Sellingの出店方法をお伝えしました。市場を選定できたら、いよいよ次は、どのモールに出店するか、具体的なマーケティングをどう書けるかを検討するフェーズに移行します。モール選定は極めて重要です。

どのようなモールがあるかを理解した上で、選定した市場を最適に攻められるモールを選びましょう。

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