- Shopifyで自社ECを始める際に押さえておくべきポイントを理解する
- Shopifyでできることを理解し、設定できるようになる
Shopifyとは?:Shopifyが国内外のEC展開時に選ばれる理由
Shopify(ショッピファイ)は、世界175カ国以上で利用される、誰でも簡単にオンラインストアを構築・運営できる、世界最大級のECプラットフォームです。専門的な知識がなくても、直感的な操作で、驚くほど短期間でプロフェッショナルなECサイトを立ち上げることが可能なサービスです。Shopifyは個人事業主から中小企業、そして世界的な大企業まで、あらゆる規模のビジネスに利用されています。大企業では、例えば、「日清食品」のオンラインサイトはShopifyで作成されており、他にも「Soup Stock Tokyo」や「オリオンビール」などのサイトでも利用されており、セキュリティ上の安心して利用できます(参考)。
Shopifyの強みとして大きいのは、下記の3点です。
- 圧倒的な使いやすさ: コーディング知識がなくても、豊富なテンプレート(テーマ)からデザインを選び、簡単にカスタマイズが可能。メルマガ配信などもShopifyから可能であり、誰でも簡単にマーケティングまで可能
- スケーラビリティ: 個人事業主から大企業までが利用しており、大企業にも対応できるシステムを兼ね備えているため、事業規模(取引数量や商品数)が拡大しても、柔軟に対応可能
- 豊富なアプリ(ミニアプリ)エコシステム: 外部開発会社によって、Shopifyのために作られたミニアプリ数千ものアプリが存在し、その中から必要なアプリを選択して、簡単に利用することができるため、システム追加の柔軟性が非常に高い。在庫管理、マーケティング、顧客サポートなど、あらゆるニーズに対応するアプリが揃っており、必要な機能だけを自由にカスタマイズが可能
Shopifyが国内EC構築においても優れている理由
越境ECに関係なく、どのECシステムを選択するかを選ぶ際に、Shopifyと比較してよく出てくるのが、BASEやWixという誰でも簡単にECサイトを構築できるサービスですが、Shopifyは上記3点、特に「スケーラビリティ」「豊富なアプリエコシステム」においては、Shopifyは非常に優位性が高いです。
そして何よりも、他のサイトと比較し、グローバル企業により開発されたシステムであるため、越境ECに対する機能の充実が非常に多いです。この点に関しては後述します。
具体的なBASEとWixとの差は下記になります。
| 比較項目 | Shopify | BASE | Wix |
|---|---|---|---|
| 主なターゲット | 中小企業から大規模ブランドまで、グローバル展開を志向する事業者 | 初心者、個人事業主、手軽にECを始めたい人 | ウェブサイトとECサイトの両方を手軽に作りたい人 |
| 越境ECへの対応 | ◎ 多言語・多通貨対応が標準機能で充実・関税計算や国際送料を自動計算するアプリが豊富・各国の決済方法に柔軟に対応 | △ 多言語・多通貨対応が基本的にできない・海外からの注文受付は可能だが、翻訳や通貨換算は手動対応が必要 | △ 多言語対応は可能だが、多通貨対応は限定的・越境ECに特化した機能は少なく、カスタマイズが必要 |
| スケーラビリティ | ◎ 事業規模が拡大しても安定した運用が可能・大企業向けの「Shopify Plus」も提供 | △ 大規模なトラフィックや商品数には不向きな場合も | △ 大規模なECサイト運用には機能が不足する場合も |
| 決済機能 | クレジットカード、PayPal、Shop Payなど、世界中の主要な決済方法に対応 | クレジットカード、キャリア決済、コンビニ決済など、日本国内の決済方法が中心 | クレジットカード、PayPalなど、主要な決済方法に対応 |
| アプリ(拡張性) | ◎ 数千種類のアプリがあり、越境ECに特化したアプリが非常に充実 | △ 拡張機能は存在するが、Shopifyに比べて越境EC関連は少ない | △ アプリは存在するが、EC機能は限定的 |
| 費用構造 | 月額利用料+決済手数料(プランによって異なる) | 初期費用・月額利用料は無料。手数料が売上に応じて発生 | 月額利用料+決済手数料(プランによって異なる) |
表から明らかなように、BASEやWixは国内ECを手軽に始めるには優れたサービスですが、越境ECを本格的に展開するならShopify一択と言えるでしょう。多言語・多通貨対応、そして越境ECに特化した豊富なアプリは、ビジネスをグローバルに拡大する上で必要不可欠な機能です。
Shopifyが提供する越境EC機能
ではShopidyでは具体的にどのように越境ECを簡単にする機能が提供されているのでしょうか?ここでは4つの機能に分けて、Shopifyが提供する機能をご紹介します。
1. Shopify Marketsによるマーケット選定機能(配送料金、商品価格)
まず越境ECを始める際に、最も重要なのが市場選定だということは前の記事で話しましたが、市場を選定した後、その市場に絞って、配送料金や商品の価格を設定していくことが重要になります。また、越境ECを展開した際に、この国には出店しない。ということを決めて、制御することも重要になります。そのような国別の制御をShopifyは可能にしています。
Shopifyの「Shopify Markets」機能では、どの市場からの注文を受けられるかを簡単に選択でき、また、各国の市場に合わせて、商品価格や配送料金を細かく設定できるため、為替変動リスクや現地の物価水準に合わせた戦略的な価格設定が可能です。
マーケット選定
どの国で自分たちの商品を購入可能にするかを設定することができます。ほとんどの主要国の中から、国別またはエリア別に選択でき、多国化展開も非常にしやすい設計となっています。
マーケット別価格調整
Shopifyでは自動通貨調整機能を活用し、越境ECを訪れた国のユーザーの通貨を表示してくれます。また、現地の通貨に自動で変換するだけでなく、マーケットごとに異なる価格を設定できます。例えば、米ドル圏では$100、ユーロ圏では€95といったように、日本の金額を参考に、その商品代金からどの程度の割合を引き上げるか、引き下げるかを簡単に設定することが可能になっています。


マーケット別配送料の設定
次に重要なのが国際配送料の設定ですが、Shopifyでは、国別で国際配送料の設定をすることが可能です。国別に設定した配送料に対して、販売する商品ごとにサイズ・重量を設定することで、自動的にサイズ・重量を計算し、サイズに合った配送料を受領することも可能になります。国際配送料は重さで料金が変わることが多いので、重量を設定し、重量を足し合わせた上で、適切な配送料をお客さまに請求することが可能です。
関税・輸入税の計算
さらに、Shopifyでは、最も難しい関税に関して、DDU(関税購入者負担)とDDP(関税込み)をそれぞれ設定することができます。慣れるまでは、DDU(関税購入者負担)で設定しながら、徐々にDDPに移行していくことが良いでしょう。DDU(関税購入者負担)を選択する際は、商品説明への注意書きで、「配送料が購入者負担である」ことを示せると良いでしょう。下記に英語、中国語でDDPであることを示す際の説明例を示します。また、後述の通り、DDP(間税込み)を自動計算してくれるサービスも存在し、Shopify内の様々な機能を活用することで、地域ごとに適切なモデルでの関税対応が可能になります。
※ただし、DDPに対応する場合は、DDP対応可能な配送業者を選定する必要があります。(これはShopifyに関わらず共通です)


| <日本語>海外へのお届けの場合、商品到着時に関税、輸入税、および通関手数料などが発生する場合がございます。これらの費用は、お届け先の国や地域の法令に基づき、お客様ご自身でのご負担となりますので、あらかじめご了承ください。 <中国語>对于国际包裹,商品送达时可能会产生关税、进口税及清关手续费等费用。这些费用根据收件国家或地区的法律法规而定,需由您自行承担,请提前知悉。 <英語>For international shipments, customs duties, import taxes, and other fees may be incurred upon delivery. These charges are determined by the laws and regulations of the destination country and are the sole responsibility of the customer. |
2. 多言語対応機能
越境ECサイトの購入率を上げるためには、適切に現地語に翻訳する必要があります。一方で、全ての商品を一つ一つ人力で翻訳するのは困難です。そのような中で、Shopifyは、標準機能として多言語対応機能を備えています。
Shopifyでは、デフォルトで言語翻訳機能が備わっており、2言語においては、無料で翻訳してくれます。翻訳の範囲は、商品名、商品説明、コレクション名、ブログ記事、さらにはチェックアウト画面まで、ストア内のあらゆるテキストを翻訳できます。また、訪問したユーザーに応じた言語の出しわけも可能で、ユーザーも別の言語に簡単に切り替えることができるデザインで言語切り替えを提供することも簡単です。
2言語を無料で対応できることで、最も市場の大きい「英語」と、中華圏向けに「中国語」への対応もShopifyを導入するだけで可能になります。

3. 関税自動計算機能(ZonosやAvalaraの説明)
越境ECにおいて、最もトラブルになりやすいのが関税の扱いです。関税は国や地域、商品の種類によって大きく異なるため、正確な計算が求められます。前述の通り、DDU(関税購入者負担)で対応することもできますが、お客さま視点では関税の透明性は非常に重要で、理想は関税を事前に予測し、DDP(間税込み)で提供することです。Shopifyでは、外部アプリを導入することで、この複雑な関税計算を自動化し、DDP(Delivered Duty Paid)対応を実現できます。
ここで改めて、DDUとDDPの違いを説明します。
- DDU(Delivered Duty Unpaid): 「関税支払いなし」の取引条件です。商品の到着時に、輸入者である購入者が関税・消費税を支払います。初期の越境ECでは、この方式が一般的です。サイトの目立つ場所に「関税は購入者負担」であることを明記し、トラブルを防ぎましょう。
- DDP(Delivered Duty Paid): 「関税支払い済み」の取引条件です。EC事業者が事前に送料と合わせて関税を徴収し、通関時に支払います。購入者は追加の支払いが不要になるため、顧客満足度が向上し、カゴ落ち率の低減に繋がります。
では次に、どのようなアプリを利用すると、DDPを実現できるかを説明します。ここでは2つのアプリを紹介します。
Zonos
Zonosは、越境ECにおける関税や税金、そして国際取引に伴う複雑な手続きを自動化するための包括的なプラットフォームです。単なる税金計算ツールではなく、グローバルな配送における透明性とコンプライアンスを確保することに重点を置き、構築されています。具体的には下記のようなことを、Shopfiyのミニアプリから対応することができます。
- HSコードの割り出し: 世界共通の品目分類番号であるHSコードは、関税率を決定する上で不可欠です。Zonosは商品の説明からHSコードを自動で推定する機能を持ち、通関手続きの迅速化に貢献します。
HSコードとは
「Harmonized System(品目別分類)」といい、世界中で取引されるほぼすべての商品がこの番号で分類されています。関税率や輸出入規制を決定する上で不可欠な、国際貿易における「商品のID番号」のようなものです。このHSコードは、6桁の数字からなり、さらに細分化された桁数が各国の裁量で追加されます。例えば、最初の2桁は商品の「類」(例:95類は玩具)、次の2桁は「項」、最後の2桁は「号」を示し、より詳細な品目を特定していきます。
- 関税・輸入税の自動計算: 購入者の住所と商品の詳細(価格、種類など)に基づいて、関税、消費税、付加価値税(VAT)、売上税(Sales Tax)などをリアルタイムで計算し、ユーザーに提示できます。これにより、予期せぬ追加費用がなくなり、顧客の信頼性が向上します。
- DDP(関税込み)対応: チェックアウト時にすべての税金と関税を徴収し、DDP方式での配送を可能にします。これにより、購入者は商品受け取り時に一切追加費用を支払う必要がなくなるため、顧客満足度が向上し、カゴ落ち率の低減に繋がります。
- グローバルな法規制のモニタリング: 世界各国の関税法や税法は常に変動しています。Zonosはこれらの法規制を継続的に更新・反映しているため、事業者は常に最新の正確な情報に基づいて取引を行うことができます。
Zonosは有料サービスで、一定の費用がかかりますが、顧客体験を向上させ、売上を上げるための明確な武器になります。
Avalara
Avalaraは、企業が直面する様々な税務コンプライアンスの課題を解決するために設計された、クラウドベースの税務自動化ソリューションです。特に、消費税や売上税の計算と申告に強みを持っており、Shopfiyにもミニプログラムが提供されています。
- リアルタイムの税金計算: 顧客の所在地、商品の種類、そして取引の性質に基づいて、売上税、VAT、消費税などをリアルタイムで正確に計算します。Avalaraの強みは、その広範な税務データベースです。世界中の何万もの税務管轄区域における税率と規則を網羅しており、常に最新の情報を反映しています。
- 申告・支払い: 計算だけでなく、税金の申告書類の作成や、当局への支払いまで自動化するサービスを提供しています。これにより、事業者は複雑な税務申告プロセスから解放され、本業に集中することができます。
- 多岐にわたる税務対応: 売上税やVATだけでなく、ホテル税、飲食税、消費税、関税、さらには源泉徴収税など、多種多様な税金に対応しています。
AvalaraはZonosよりもより専門な税務ツールとなっており、越境ECにおける関税対策だけに利用するのであれば、Zonosが簡単に利用できる可能性があります。一方で、現地での様々な活動をする際には幅広い税金対策が必要になるため、必要に応じて使えるようにサービス名称は頭に入れておきましょう。
4. 海外決済機能
海外の顧客が安心して購入できるように、多様な決済方法を提供することは必須です。Shopifyでは様々な決済手段を提供しており、また、ミニアプリを通じて、様々な決済手段と簡単に接続することができます。
Shopifyペイメント
決済手段に関して、まず、デフォルトで利用できるのは「Shopifyペイメント」です。これはShopifyが提供する独自の決済サービスで、特別な設定なしでクレジットカード(Visa, Mastercard, American Express, JCBなど)や、Apple Pay、Google Payなどのモバイル決済に対応しています。海外からのクレジットカード利用に対応し、海外通貨での決済も自動で処理されるため、導入が非常に簡単です。デフォルトのShopifyペイメントだけで、ある程度越境ECには対応できます。
Paypal
次に、Shopifyペイメントと並行して、外部サービスとして連携が推奨されるのが「PayPal」です。PayPalは世界中で広く利用されており、顧客はクレジットカード情報を入力せずに、PayPalアカウントを通じて安全かつ迅速に支払いを完了できます。PayPal特にグローバルでのユーザー数が多く、PayPalに慣れたユーザー層にとって、新しいサイトで購入する際のクレジットカード入力の負荷を下げ、購入のハードルを下げることができます。
Shopifyアプリストア ミニアプリ
さらに、Shopifyアプリストアのミニアプリなどを活用することで、利用範囲を広げられる決済手段があります。例として、中国市場を狙うなら「Alipay」や「WeChat Pay」、東南アジアなら「GrabPay」など、地域特有の決済方法を導入することで、現地の顧客に合わせた柔軟な対応が可能になります。これらの決済サービスは、それぞれ専用のアプリをShopifyストアに連携させることで利用できるようになります。
これらの決済手段を適切に組み合わせることで、顧客は慣れ親しんだ方法で安心して買い物ができるようになり、結果としてコンバージョン率の向上が期待できます。
5. 個人情報保護などの規制対応
越境ECにおいて、重視しないといけないのが、個人情報保護など各国の規制に対応することです。国ごとに個人情報保護の規制が異なり、対応すべきことが異なります。Shopifyでは、このような難易度の高い事項に対して対応することを簡単にするミニアプリも多数提供されています。各国や地域のプライバシー規制(GDPRやCCPAなど)に対応するために、テンプレートの提供、自動更新、そして特定の法的要件に合わせたカスタマイズを簡単に対応可能にしてくれるのです。
代表的なアプリとしては、「GDPR/CCPA Compliance Manager」や「Legal Pages & GDPR/CCPA」といったものがあります。これらのアプリは、ヨーロッパのGDPRやカリフォルニア州のCCPAといった厳しいプライバシー規制に特化しており、プライバシーポリシーだけでなく、クッキーバナーの表示、データ削除リクエストの管理、オプトアウト機能などもサポートしています。
これらのアプリを利用することで、手作業でのポリシー更新や、各国の法規制を個別に調べる手間を大幅に削減し、コンプライアンスリスクを軽減できます。ただし、アプリはあくまで補助ツールであり、最終的な法的責任はストア運営者にありますので、専門家への相談と併用することが最も安全です。
Shopifyでどこまで越境EC対応できるか
上記でShopifyで利用できる越境ECに欠かせない機能を紹介してきました。Shopifyは、越境ECに必要な機能の多くをカバーしていますが、すべてを自動化してくれるわけではありません。特に、物流は自社で準備すべき最も重要なポイントです。決済はShopifyを活用すれば、ShopifyペイメントやPayPalなどにより、海外からの多様な決済方法に標準で対応できますし、関税は、DDUであれば、商品説明に記載するだけで対応可能です。DDPを目指す場合は、前述のアプリを導入すれば対応できます。
一方で、物流は、Shopifyは物流そのものを担うわけではありません。そのため、商品の梱包、発送、配送状況の追跡などは、事業者自身が手配する必要があり、高額である物流費用を適切に調整して配送料自体が優位になるようなものに設定する必要があります。この点が難易度が高いポイントですが、難しい場合においては、後述のように代理購入事業者などの外部サービスを活用し、物流のハードルを下げる方法が望ましいでしょう。
Shopifyで越境ECを始める方法
1. Shopifyのプランを選択して契約
Shopifyを活用して、越境ECを始めるには、まずShopifyのプランを選び、契約します。Shopifyを利用するにあたって発生するコストは、
- 固定の月額利用料 + 決済手数料
です。Shopyは最も安いプランで$39ドル(約5,000円~)で利用することができます。Basicプランではアクセスできるスタッフの数が制限されています。 一方で、アクセスするスタッフ数や商品数が増えてくるまでは、Bacicプランで十分です。また初期は有料のミニアプリも不要です。規模が大きくなるごとに必要機能を見極めて、大きくしていきましょう。
越境ECの規模が大きくなっていくと、真ん中のプランにアップグレードするとメリットも得られます。例えば決済時にかかる手数料はプランが上がるごとに小さくなってきます。
また具体的な機能としても例えば、BasicプランからShopifyプランに上がると、Basicプランでは利用できなかった、国別に具体的に商品金額を設定するという機能が利用できるようになります。
また、Advanceになると、上記で説明したZonosなどのサービスを利用しなくても、チェックアウト時に関税や輸入税を自動計算し、顧客から徴収して、Shopify Markets Proを通じて通関時に支払う仕組みが利用できます。
プランは利用するミニアプリと合わせて、どの組み合わせが最適化を考えながら、選んでいけると良いでしょう。
| プラン名 | 月額費用(ドル) | 特徴 | 手数料(オンライン) |
|---|---|---|---|
| Basic | $39 | ・基本的なオンラインストア機能 ・2つのスタッフアカウント・標準レポート機能 ・Shopify Markets対応 | ・Shopifyペイメント利用時:3.9% + 30セント・外部決済利用時:2.0% |
| Shopify | $105 | ・Basicプランの全機能 ・5つのスタッフアカウント・高度なレポート機能 ・国際価格設定機能 | ・Shopifyペイメント利用時:3.8% + 30セント・外部決済利用時:1.0% |
| Advanced | $399 | ・Shopifyプランの全機能 ・15のスタッフアカウント ・高度なカスタムレポート作成 ・DDP対応などの高度な国際配送設定 | ・Shopifyペイメント利用時:3.6% + 30セント・外部決済利用時:0.5% |
2. Shopifyのデザインを構築する
契約が完了したら、いよいよストアの構築です。
- デザイン:テンプレート(テーマ)を選び、ロゴやカラースキームを設定します。無料のテーマでも十分プロフェッショナルなストアを作成できます。デザインがわかりやすく、商品を選びやすいとその分購入される確率も高まるので、デザインにはこだわってストア構築できると良いでしょう。
- 商品登録:商品の写真、説明文、価格、在庫数などを登録します。越境ECでは、商品説明を分かりやすく、魅力的に書くことが重要です。関税に関する注意事項などの記載も忘れないように記載しましょう。
- 越境EC対応:上述で話をした越境EC設定を行っていきます。
- Shopify Markets設定: ターゲット国を追加し、通貨や価格設定を行います。
- 多言語設定: 翻訳アプリを使って、ストアのテキストを翻訳します。
- 決済方法の設定: Shopifyペイメントを有効にし、必要に応じてPayPalやその他の外部決済サービスを追加します。
- 配送料金の設定: 国や地域ごとに異なる配送料金を設定します。重さや金額に応じた設定も可能です。
上記とは別に考慮しないといけないこととして、プライバシーポリシーやキャンセル・配送ポリシーの設定があります。各国によって、対応すべき個人情報保護の範囲やクーリングオフ制度などが異なり、選んだ国によって、このようなポリシーへの対応を強化する必要があります。Shopifyでは、これらのポリシーを簡単に作成するためのテンプレート機能が提供されており、法的な免責事項のテンプレートを自動生成できます。
ただし、これらのテンプレートはあくまで一般的なものです。特定の国や地域(例:EUのGDPR、カリフォルニア州のCCPAなど)の厳しい法規制に完全に準拠するためには、テンプレートをカスタマイズする必要があります。各国の法令を調べ、弁護士などの専門家に相談して、内容を調整することが最も確実な方法です。
越境ECでは、複数の国のポリシーに配慮する必要があるため、テンプレートをベースにしつつ、慎重に内容を調整していくことが重要で、この点が最も時間がかかることですが、初期の準備として、しっかり対応できれば、後から発生するリスクを削減できるため、上述したアプリなどを活用したり、専門家への相談を通じて、準備していきましょう。
3. 物流企業の選定
最後に重要になるのが、国際配送をともにする物流会社の選定です。越境EC成功の鍵は、いかに効率的で信頼性の高い物流網を構築できるかにかかっています。物流は自社で物流会社と直接契約することも可能ですが、その場合、自社で購入者の住所の管理をしたり、自社で梱包、発送までの手間を慎重に進めていく必要があります。自社で物流会社と直接契約を行う方が、将来的にECの規模が拡大した際には、物流コストを削減でき、有益な可能性もあります。
一方で、最初から全てを自社で行う難易度が高い場合は、以下のようなサービスを利用して、物流の手間を省くことも可能です。
Shopifyで自社ECを構築しながら、下記のサービスをタグなどを入れて利用することで、物流の手間を削減できます。
- 代理購入事業者:海外の顧客が、日本のECサイトで直接商品を購入できない場合、代理で注文し、海外へ発送するサービスです。越境EC事業者は、国内の代理購入事業者に商品を発送するだけで、後の手続きを任せることができます。
- 転送事業者:海外の顧客が日本のECサイトで商品を購入し、転送事業者の国内倉庫に送ります。その後、転送事業者が海外の顧客へ商品を転送します。
具体的なサービスとしては、下記のようなサービスです。
| 比較軸 | tenso.com | WorldShopping Biz |
|---|---|---|
| ビジネスモデル | 転送サービス | 購入代行・運営代行 |
| サービス内容 | 海外の顧客が日本のECサイトで直接商品を購入し、その商品を日本の倉庫で受け取ってから海外へ転送するサービスです。この場合、商品の注文と決済は海外の顧客とEC事業者の間で直接行われます。転送サービスはあくまで物流を代行する役割であり、EC事業者は海外の顧客から直接注文を受けることになります。 | 海外の顧客に代わって日本のECサイトで商品を購入し、海外へ配送するサービスです。この場合、商品の注文から決済、配送手続きまですべてをサービス事業者が代行します。EC事業者から見ると、代理購入サービスは「日本国内の顧客」として認識されるため、海外との直接取引は発生しません。これにより、事業者は海外向けの決済や物流、カスタマーサポートを気にすることなく、国内取引と同じ感覚で商品を販売できます。 |
| 導入の容易さ | 導入企業のシステム改修は原則不要で、バナーを貼り付けるのみで、利用可能 | タグを1行埋め込むだけで、既存サイトが越境ECに対応可能。 |
| 事業者の役割 | 国内配送と国内の顧客対応 | 国内配送のみ。多言語対応、国際配送、海外からの問合せ対応はすべて代行 |
| コスト構造 | tenso.comの利用料は顧客が負担するため、事業者は特別な費用負担なし(カスタマー対応コストは自社で対応必要) | 売上に対する手数料や、月額固定費用が発生(ただし、自社でのカスタマー対応コストが不要) |
| リスク負担 | 事業者は国内配送の範囲でリスクを負担 | 海外配送、関税、チャージバック、返品などのリスクをWorldShopping Bizが負担するため、事業者負担はない代理購入のため、国内に配送した瞬間に役割は終了 |
| カスタマーサポート | tenso.comが国際配送に関する問合せを多言語で対応 | 海外顧客からのすべての問合せを多言語で対応 |
転送サービス or 代理購入モデルのメリット・デメリットとしては、下記になります。
| メリット | 物流の手間が大幅削減 | 事業者は国内の転送サービス倉庫に商品を発送するだけで、複雑な海外配送や関税手続きは転送サービス側が代行してくれるため、物流で悩むことはない |
| 幅広い国への対応 | 転送サービスが対応している国であれば、自社で個別に配送会社と契約する手間なく、世界中の顧客に商品を届けられ、多国化展開(同時120カ国など)を同時に進めることができる | |
| 質の高い梱包品質 | 物流を代行する会社のため、梱包資材を豊富に用意し、丁寧な梱包を実施。特に割れやすい商品に関しても、角当て等も駆使しながら、丁寧に梱包を実施 | |
| 豊富な決済手段 | 転送サービスがクレジットカードだけでない、Alipayなどの豊富な決済手段を用意しているため、サイトのコンバージョンが上がる可能性 | |
| デメリット | 顧客データが蓄積しない | 購入者はあくまで転送サービスに登録し、転送サービスで決済するため、自社にデータが溜まりにくい。メルマガ会員等も蓄積できない |
| 複雑な購入体験 | 購入時に自社ECで完結せず、外部サービスに遷移するため、サイト離脱が生じる可能性があり、ユーザー視点でも急に外部サイトに飛ぶので体験が悪いと感じるユーザーも存在 | |
| 購入者の転送サービスのオプション料金、物流費用の負担が大きい | 転送サービスの収益源として、配送時のオプション提供や物流費からくる利益が大きく、購入者の国際配送における負担額が大きくなるケースも存在初期の荷量が少ない際は、転送サービスを利用した方が、購入者にとっても、国際配送料はやすい可能性があるが、自社の越境ECが成長し、荷量が増えた際には、自社で物流を構築する方が、配送料がやすく抑えられる可能性もある ※転送サービスも基本的にはDDU(商品の代金と国際送料のみを事前に決済し、購入者が関税を到着時に負担する仕組み)で対応 | |
| サービス品質の他者依存 | サービス提供、カスタマー対応も転送サービスが担うため、サービス側のトラブルや手数料変更が、自社のビジネスに直接影響を与えるリスクがある。そして、自社でコントロールできない部分が多く、自社ブランディングに影響がでる(物流品質など)可能性もある |
ここまで準備ができれば、いよいよ自社サイトを通じた、越境ECが可能になります。
Shopify越境ECで気をつけるべきこと
最後にShopifyで自社ECを構築するにあたり、気をつける必要があることを説明します。
越境ECを進めるにあたって、下記のポイントは実際運用を開始した後に問題になりやすいポイントです。しっかり事前に要件を確認しながら、適切な運用を行いましょう。
- 法規制: 各国の輸入規制、知的財産権、消費者保護法などを事前に確認しましょう。
- 返品ポリシー: 海外への返品は送料が高くつくため、明確な返品ポリシーを定め、サイトに記載しておくことが重要です。
- 顧客サポート: 問い合わせ対応は時差を考慮する必要があります。自動応答システムやFAQページを活用して、顧客の疑問を解決できる体制を整えましょう。
この記事では、Shopifyを活用して越境ECを始めるための基本的なノウハウを網羅的に解説しました。Shopifyは、物流以外の多くの課題を解決してくれる強力なツールです。まずは小規模からスタートし、徐々に運用体制を構築しながら、拡大していきましょう。

