株式会社ハイブリッドテクノロジーズは、2024年9月期の第2四半期決算説明資料において、堅調な成長を遂げていることを示しました。

売上収益は前年同期比20%増の1,585百万円となり、営業利益は同51%増の150百万円となりました。好調な業績の背景には、ストックサービス件数の増加や、前期に買収したハイブリッドテックエージェント社の売上貢献があります。

同社は、日本とベトナムのシナジーを活かしたビジネスモデルを展開しており、顧客のサービス設計からシステム設計、開発実装までを一気通貫で提供しています。また、ベトナムにおける高い知名度を活かした採用力も強みの一つです。

会社概要

株式会社ハイブリッドテクノロジーズは、2016年4月に設立されたIT企業です。東京に本社を置き、ベトナムにも拠点を持ち、従業員数は535名です。代表取締役社長CEOはチャン・バン・ミン氏です。

対象市場・競合状況

ハイブリッドテクノロジーズは、デジタルトランスフォーメーション(DX)市場を対象としています。この市場は、2030年には6.5兆円規模に成長すると予想されています。競合としては、他のITコンサルティング企業やシステム開発企業が挙げられます。

事業概要

ハイブリッドテクノロジーズは、顧客のニーズに合わせて、2種類のサービスを提供しています。1つ目は、月額制のストックサービスで、顧客のサービス設計やシステム設計などの上流工程から開発、運用保守までをサポートします。2つ目は、請負契約のフローサービスで、顧客の要望に応じてシステム開発を行います。

同社の強みは、日本とベトナムのシナジーを活かしたビジネスモデルです。日本側が上流工程を担い、ベトナム側が開発実装を担うことで、高品質かつ低コストなサービス提供を実現しています。また、ベトナムにおける高い知名度を活かした採用力も強みの一つです。

経営戦略

ハイブリッドテクノロジーズは、既存事業の成長と新規事業の創出の両面から成長戦略を推進しています。

既存事業においては、ストックサービスの件数増加と単価向上を目指しています。具体的には、営業体制の強化や、ベトナム合弁会社を活用したSalesforce案件の獲得などを進めています。また、M&Aも積極的に活用しており、2024年4月にはプロダクト戦略やグロースハックに強みを持つWur株式会社を子会社化しました。

新規事業としては、スタートアップ事業支援プロジェクト「Hybrid Technologies Capital」を展開しています。シードからレイターまでの全ての投資フェーズを対象に、事業成長シナジーが見込まれる幅広いパートナーを支援しています。

財務概要

2024年9月期の第2四半期決算では、売上収益は前年同期比20%増の1,585百万円、営業利益は同51%増の150百万円となりました。通期業績予想に対する進捗率は、売上収益が48%、営業利益が45%となっています。自己資本比率は63.8%と高く、財務基盤は安定しています。

クロスSWOT分析

強み(Strengths)

  • 日本とベトナムのシナジーを活かしたビジネスモデル
  • ベトナムにおける高い知名度と採用力
  • プロジェクトマネジメント、インフラ設計/運用の知見を有するCTO

弱み(Weaknesses)

  • 売上総利益率の低下
  • 大規模案件の終了によるストックサービス単価の減少

機会(Opportunities)

  • DX市場の成長
  • スタートアップ投資による新規事業創出

脅威(Threats)

  • 競合他社の台頭
  • ベトナムにおける人件費の高騰

考えられる競合や他企業とのシナジー

競合としては、他のITコンサルティング企業やシステム開発企業が考えられます。これらの企業との差別化を図るためには、日本とベトナムのシナジーを活かしたビジネスモデルをさらに強化していく必要があります。

他企業とのシナジーとしては、スタートアップ企業との連携が考えられます。ハイブリッドテクノロジーズは、スタートアップ企業に対して、技術的な支援だけでなく、事業開発や資金調達などの面でもサポートすることができます。

考えられるM&Aや資本業務提携のアイデア

買収企業になるM&Aや資本業務提携

  • 株式会社キャパ:Webサイト制作やWebシステム開発、ECサイト構築などを手掛けており、ハイブリッドテクノロジーズの開発領域を補完できます。
  • 株式会社アイリッジ:O2O/OMOソリューションやモバイルアプリ開発などを手掛けており、ハイブリッドテクノロジーズのDX領域におけるサービスを強化できます。
  • 株式会社Goodpatch:UI/UXデザインや新規事業開発支援などを手掛けており、ハイブリッドテクノロジーズのデザイン領域やコンサルティング領域を強化できます。

資本業務提携の対象となりうる企業

  • 株式会社ショーケース:ECサイト構築やデジタルマーケティング支援などを手掛けており、ハイブリッドテクノロジーズの顧客基盤拡大に貢献できます。
  • 株式会社プレイド:CX(顧客体験)プラットフォーム「KARTE」を提供しており、ハイブリッドテクノロジーズのDX領域におけるサービスを強化できます。
  • 株式会社スタメン:エンゲージメント経営プラットフォーム「TUNAG」を提供しており、ハイブリッドテクノロジーズの組織エンゲージメント向上に貢献できます。

対象企業になるM&Aや資本業務提携

  • SCSK株式会社:国内大手SIerであり、ハイブリッドテクノロジーズを買収することで、成長市場であるDX領域におけるオフショア開発のノウハウ獲得や、ベトナム人材の獲得に繋がると考えられます。
  • 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社:国内大手SIerであり、ハイブリッドテクノロジーズを買収することで、ベトナムにおけるオフショア開発拠点の強化や、ハイブリッドテクノロジーズの顧客基盤獲得に繋がると考えられます。
  • 株式会社SHIFT:ソフトウェアテスト事業を主力とする企業であり、ハイブリッドテクノロジーズを買収することで、品質保証サービスの強化や、ベトナム人材の獲得に繋がると考えられます。

資本業務提携の相手方となりうる企業

  • GMOペパボ株式会社:レンタルサーバー事業やEC支援事業などを手掛けており、ハイブリッドテクノロジーズと連携することで、ベトナム市場への進出や、共同でのサービス開発などが考えられます。
  • 株式会社カオナビ:クラウド人材管理システムを提供しており、ハイブリッドテクノロジーズと連携することで、人材管理領域でのサービス開発や顧客開拓を加速できると考えられます。
  • 株式会社ラクス:クラウドサービスを提供しており、ハイブリッドテクノロジーズと連携することで、ベトナム市場への進出や、共同でのサービス開発などが考えられます。

まとめ

株式会社ハイブリッドテクノロジーズは、DX市場の成長を背景に、事業を拡大しています。日本とベトナムのシナジーを活かしたビジネスモデルや、ベトナムにおける高い知名度と採用力を強みに、さらなる成長が期待されます。